更新日: 2020.04.06 国民年金
産前産後期間における国民年金保険料の免除があるって本当?
しかし、2019年4月から、国民年金第1号被保険者にも年金保険料が免除されます。
産前産後期間における不安は大きなものがあります。
この記事では、年金保険料の免除についての概要を説明していきます。
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
産前産後期間における国民年金保険料の免除制度とは
対象者は自営業の方や、夫が自営業者である妻など国民年金第1号被保険者です。免除される期間は、出産予定日または出産日が属する月の前月から4カ月間です。双子以上の妊娠の場合は、出産日または出産予定日前月の3カ月前から6カ月間です。
例えば、出産月が5月なら、4月から7月の4カ月分の保険料が免除の対象です。2019年の国民年金保険料は月額16,410円なので、4カ月分の保険料は65,640円になります。
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こんな場合はどう考えればよい? 様々なケース
(1)死産・早産・流産
ここで言う出産とは、妊娠4カ月以上のことをいいます。死産や早産、流産だったとしても妊娠4カ月以上あれば、保険料免除の対象となります
(2)前納していた場合
国民年金には前納制度があります、6カ月前納、1年前納、2年前納があり、前納すると保険料が割引となりますから、前納している方もいることでしょう。すでに前納制度を利用して保険料を支払っている方が妊娠し、保険料免除対象者になった場合、支払った保険料はどうなるのか、気になるところです。この場合、保険料は還付されます。安心してください。
(3)出産予定日が4月以前の場合
制度がスタートするのは2019年4月ですが、出産日が2019年2月以降の方であれば保険料免除の対象になります。しかし、免除対象となるのは4月以降の保険料です。免除期間の考え方は、上述の通り、出産日または出産予定日の前月から4カ月間ですから、2月に出産する場合、免除される保険料は4月分のみとなります。
(4)付加保険料について
保険料が免除されても付加保険料は納付できます。
(5)将来の年金額への影響は
保険料が免除になるということは、将来受け取る年金額が減ってしまうのではと心配になりますが、その点は安心して大丈夫です。年金額は保険料を支払ったものとして計算されますから、将来の年金が減ることはありません。
(6)手続きについて
出産予定日の6カ月前から年金事務所、または市区町村役場で申請ができます。ただし、申請できるのは2019年4月からです。事前の受付はできません。
(7)出産後でも手続きできる?
出産後でも手続きは可能です。届け出の期限は設けられていませんが、出産後は赤ちゃんのお世話で忙しいので、申請ができるようになったら、早めに手続きを済ませてしまいましょう。
忘れずに申請を
自営業の方は長期間仕事を休むことが難しいでしょうし、産休という概念もないのではないでしょうか。
出産後1カ月経過する前から仕事復帰する方もいます。とはいえ、赤ちゃんがいると出産前と同じペースで働くことは難しいものです。働けないと、収入は減りますから、忘れずに申請して、保険料の負担を減らしましょう。
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
CFP(R)認定者