公開日:2019.07.23 年金

産前産後は、保険料が免除されるってホント? 国民年金の新制度について解説!

2019年4月から、産前産後期間の国民年金は納付が免除されるという新制度がスタートしていることをご存じでしょうか。
 
この新制度は、次世代育成を支援するという目的に沿って導入された制度ですが、厚生年金についてはすでに「産前産後休業保険料免除制度」というものがありました。
 
そこで本稿では、国民年金における「産前産後期間の保険料免除制度」の概要を簡単に説明するとともに、従来からの厚生年金における「産前産後休業保険料免除制度」もあわせてご紹介します。
 
星田直太

執筆者:

執筆者:星田直太(ほしだ なおた)

税理士、ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))

一般企業勤務を経て、30代から税務会計の世界に入り、税理士とCFPの資格を取得。

税理士法人勤務時には法人税務顧問、ベンチャー支援、事業再生、相続・事業承継といった多様な業務に従事。公的機関での勤務も経験した後、2014年に独立。現在は西新宿に税理士事務所を開業している。

中小企業向けの講演多数。他の専門家とも多く提携しており、ワンストップでお客様のお悩みに対応できる体制を構築している。

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星田直太

執筆者:

執筆者:星田直太(ほしだ なおた)

税理士、ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))

一般企業勤務を経て、30代から税務会計の世界に入り、税理士とCFPの資格を取得。

税理士法人勤務時には法人税務顧問、ベンチャー支援、事業再生、相続・事業承継といった多様な業務に従事。公的機関での勤務も経験した後、2014年に独立。現在は西新宿に税理士事務所を開業している。

中小企業向けの講演多数。他の専門家とも多く提携しており、ワンストップでお客様のお悩みに対応できる体制を構築している。

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国民年金「産前産後期間の保険料免除制度」とは

(1)対象者
この制度の対象者は、「産前産後免除期間」に国民年金第1号被保険者(※)の期間があり、出産を行った方です。ただし、出産日が2019年2月1日以降である場合に限られます。
 
※第1号被保険者とは、原則として、日本国内在住で、次の(1)と(2)に該当する方を除いた、20歳以上60歳未満である自営業者等・学生・無職の方及びその配偶者の方です。
 

1.厚生年金保険や共済組合等の被用者年金に加入している方(第2号被保険者)
2.1に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者で、原則として年収が130万円未満の方(第3号被保険者といいます)

 
(2)保険料が免除される期間(産前産後免除期間)
出産予定日または出産日を基準として、その日が属する月の前月から4か月間となります。例えば、出産日が2019年6月18日であった場合は、2019年5月~2019年8月の4か月間、保険料が免除されるということです。
 
なお、多胎妊娠の場合は、この期間が伸長されます。出産予定日または出産日が基準であることは変わりませんが、その日が属する月の3か月前から6か月間、保険料が免除されることになります。
 
(3)手続き
住民登録をしている市・区役所や町村役場の国民年金担当窓口へ、「国民年金被保険者関係届書(申出書)」を提出する必要があります。この書類はそれほど難しい内容ではありませんので、記載方法はすぐに理解できるでしょう。日本年金機構のWEBサイトに様式が掲載されています。
 
なお、出産予定日の6か月前から提出可能ですので、早めの提出をお勧めします。
 
(4)財源等
これまでも国民年金保険料の免除制度はありました。ただし、前年所得が一定の金額以下であること等が要件とされています。
 
そして、例えば保険料全額免除の場合であってもその期間に対応する年金給付を受けることはできますが、給付額は全額納付時と比べて2分の1とされます。つまり、保険料全額免除の場合であっても、給付額の2分の1相当分だけ国庫が負担してくれるという仕組みです。
 
一方で、本稿で紹介している「国民年金の産前産後期間の保険料免除制度」では、この制度の免除対象期間に対応する年金給付は満額行われることとされます。
 
この免除期間分の年金給付については、先ほど述べた従来型の全額免除と同様に2分の1は国庫負担とされますが、もう半分は「第1号被保険者全体で負担する」こととされる点が相違点です。その負担額は、月額100円程度の保険料追加負担という形になるでしょう。
 

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健康保険・厚生年金「産前産後休業保険料免除制度」とは

会社員の方等が加入している健康保険及び厚生年金保険(以下、「社会保険」といいます。)では、従来から産前産後休業に係る保険料免除制度があります。その概要は以下の通りです。
 
(1)対象者
健康保険・厚生年金の加入者であって、産前産後休業期間がある方です。産前産後休業期間とは、産前42日(多胎妊娠の場合は98日)・産後56日のうち、妊娠または出産によって労務に従事しなかった期間を「産前産後休業期間」をいいます。
 
(2)保険料が免除される期間
保険料の徴収が免除される期間は、産前産後休業期間の開始月から、終了予定日の翌日の月の前月(ただし、産前産後休業終了日が月末日の場合は、その産前産後休業終了月)です。なお、被保険者分だけではなく、事業主分も徴収されません。
 
(3)手続き
まず、被保険者から事業主へ産前産後休業取得の申出を行います。この申出を受けた事業主が、「産前産後休業取得者申出書」という書類を日本年金機構へ提出することになります(健康保険組合へ提出する場合もあります)。
 
保険料免除については、産前産後休業中が有給であるか無給であるかを問いませんが、産前産後休業を取得すると自動的に保険料が免除になるわけではありません。必ず手続きが必要ですので、注意が必要です。
 
そして、事業主による書類提出は、産前産後休業期間中に行われる必要があります。なお、この制度による保険料免除期間については、将来年金を受給する際には、保険料を納付した期間として計算されます。
 

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健康保険・厚生年金「育児休業中の社会保険料免除」とは

健康保険・厚生年金の「育児休業中の社会保険料免除」にも簡単に触れておきましょう。これは、育児・介護休業法による満3歳未満の子を養育するための育児休業等期間について、保険料を免除する制度です。
 
従業員から事業主への申出と、事業主から日本年金機構への所定書類の提出が必要です。そして、この制度による保険料免除期間についても、将来の年金受給時においては保険料を納付した期間として計算されることになります。
 
なお、国民健康保険・国民年金保険には育児休業中の保険料免除といった制度はありません。あくまでも健康保険・厚生年金のみの制度ですので、注意しましょう。
 
執筆者:星田直太
税理士、ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))
 

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