事実婚の夫が亡くなりました。「月12万円の遺族年金」を受け取るつもりでいましたが、“前妻の子”が「俺にも受け取る権利がある!」と乗り込んできました。生計を共にしていれば、受け取ることはできますよね?
今回は、遺族年金について詳しく解説し、年金を受け取れる方の条件をチェックしていきます。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
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そもそも遺族年金とは?
遺族年金とは、国民年金や厚生年金に加入していた人が亡くなった際、その人に生計を維持されていた家族が受け取ることができる、公的な年金です。残された家族の生活を支えるために支給されます。
遺族年金には、大きく2種類あります。国民年金から支給される「遺族基礎年金」と、厚生年金から支給される「遺族厚生年金」です。
遺族年金制度は、故人の財産を分配する相続制度とは異なります。そのため、遺族年金の受給条件を満たす人と、相続人が一致するとはかぎりません。遺族年金を受け取ることができる人や、その条件を確認することが大切です。
遺族年金を受け取ることができる人
次に、遺族年金を受け取ることができる人の条件をチェックしていきましょう。遺族年金は、故人の配偶者や子どもなら誰でも受け取れるわけではなく、故人の年金加入状況や、故人との関係、生計維持関係などの条件を満たす必要があります。
また、遺族基礎年金と遺族厚生年金では、受給対象となる人が異なります。ここでは、遺族基礎年金を受け取ることができる人の条件をご紹介します。
・故人が年金制度の要件を満たしている
・故人によって生計が維持されていた
・18歳到達年度末の子、または障害がある20歳未満の子と生計を同じくする故人の配偶者(事実婚のパートナー)
・故人の18歳到達年度末の子、または障害がある20歳未満の子
なお、子がある配偶者が遺族年金を受給している間や、子に生計を同じくする父や母がいる間、子どもは遺族基礎年金をもらうことができません。
子どもだと必ず遺族年金が受け取れるわけではない
タイトルの方の場合、故人との事実婚関係と生計維持関係が認められれば、遺族年金を受け取れる可能性があります。ただし、事実婚の夫と生計を共にしていたからといって、必ず受け取れるわけではありません。
一方、前妻の子どもは、故人によって生計を維持されていたかどうかを確認する必要があります。さらに、子どもが年齢条件(故人の18歳到達年度末の子、または障害がある20歳未満の子)を満たしているかどうかもポイントです。
遺族年金は、自動でもらえる制度ではありません。受け取りたいと考える家族が書類をそろえて、遺族年金の請求手続きを行う必要があります。そして、その後日本年金機構が審査を行い、その請求者に遺族年金を支給するかどうか決定します。
家族同士で言い争ったり、主張をしあったりしても、結論は出ません。遺族年金の支給の最終的な判断をするのは日本年金機構なので、遺族年金の請求を行った後は、審査を待つことになります。
まとめ
遺族年金は、残された家族の生活を支える重要な制度です。しかし、相続制度と混同してしまったり、受給条件について把握していなかったりする方も多く、自分はもらえるのかと不安に感じている人も多いでしょう。
今回ご紹介した内容を参考にしながら、遺族年金の受給条件を確認しておきましょう。また、疑問点などがある場合は、日本年金機構のホームページをチェックしたり、直接年金事務所に問い合わせたりするなどして、正しく制度を理解するようにしましょう。
出典
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
