「国民年金は一度も払っていない」という40代の弟。「毎月2万円近く払うなら貯金する」と言いますが、このまま未納を続けると老後は本当に「年金0円」になるのでしょうか…?
本記事では、制度上の具体的な受給ルールや過去の未納分を支払える期限などについて分かりやすく解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
10年以上の納付期間がないと支給額は0円! 40代未納者が直面する老後受給の厳しい現実
老後に公的年金を受け取るためには、一定の条件を満たす必要があります。日本年金機構が公表している制度概要によると、老齢基礎年金を受け取るには、保険料を納めた「保険料納付済期間」や「保険料免除期間」などを合算した受給資格期間が「10年以上」必要とされています。
以前は平成29年7月31日まで25年以上の期間が必要でしたが、法律改正によって平成29年8月1日以降は10年に短縮されました。
しかし、受給資格期間が10年に短縮されたとはいえ、保険料を「一度も払っていない」未納の状態で10年の要件を満たすことはできません。40代の時点で過去の納付実績が一切ない場合、60歳までに残された時間は20年未満です。
もしこれから何の対策も講じず未納を続けた場合、受給資格期間である10年を満たすことができず、老後に受け取れる老齢基礎年金は本当に「0円」になってしまいます。
40代からの挽回は可能? 過去2年以内の未納保険料しか払えない2年時効の壁
「40代になってから過去の未納分をまとめて払えばいい」と考えている方もいるかもしれません。しかし、未納となっている保険料の後払いには納付期限が存在します。日本年金機構によると、国民年金保険料を過去にさかのぼって納付できるのは「納付期限から2年以内」です。
納付期限から2年を経過した保険料は時効を迎えるため、後から納付をしたくても納められなくなります。したがって、40代になってから「20代や30代の頃の未納分をすべて一括で支払う」ということは原則として不可能です。
現在未納のまま放置している期間が長くなればなるほど、過去の保険料を納付して受給資格期間を満たす機会は失われていきます。将来の年金0円を回避するためには、時効を迎えていない過去2年以内の未納分をできるだけ早く納付し、未納期間を少しでも解消することが欠かせません。
なお、経済的な理由などで保険料の納付が難しい場合には、申請によって保険料の免除や納付猶予を受けられる場合があります。免除・納付猶予の承認を受けた期間については、10年以内であれば保険料を後から納める「追納」が可能です。
受給額を増やすためには? 65歳からの受給開始や繰上げ・繰下げで変わる受給額
老齢基礎年金の受給額は、20歳から60歳になるまでの40年間の保険料納付状況に応じて計算されます。
日本年金機構の資料によれば、昭和31年4月2日以降生まれの方で40年間の保険料をすべて納付した場合、受け取れる老齢基礎年金は満額で「年額84万7300円」となります(昭和31年4月1日以前生まれの方は年額84万4900円です)。
受給開始時期は原則として65歳からですが、希望に応じた時期の選択も可能です。60歳から65歳になるまでの間に受け取り始める「繰上げ受給」を選択すると年金額は減額されますが、66歳から75歳までの間に遅らせて受け取る「繰下げ受給」を選択すると、年金額が増額されます。
公的年金は原則として生涯にわたって受け取れるため、老後の生活を支える収入源のひとつです。
老後に向けて自分で貯蓄しておくことも必要ですが、預貯金だけに頼る場合は、老後の生活が長期にわたることで資金が不足する可能性もあります。
そのため、公的年金と自身の貯蓄を組み合わせて、老後の生活に備えていくことが求められます。
年金0円を避けるために今すぐ納付履歴を確認しよう
40代で国民年金を一度も払っていない場合、このまま未納を継続すると受給資格期間である10年を満たすことができず、老後の年金受給額は0円になってしまいます。
国民年金の保険料は納付期限から2年を過ぎると時効により納付できなくなるため、過去の未納分を無制限にさかのぼって払うことは原則として不可能です。
基本的に生涯にわたって受け取れる公的年金は、長生きによって老後資金が不足するリスクに備える役割も担っています。将来の年金額や受給資格に影響する可能性があるため、未納期間がある場合はそのままにせず、早めに納付状況を確認し、必要に応じて手続きを進めることが大切です。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 年金Q&A(国民年金の保険料(制度説明)) Q 保険料を納付しなかった期間がありますが、今から納付することができますか。
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
