離婚した友人から「元夫の厚生年金を分けてもらえる」と聞きました。離婚後ならいつでも手続きできると思っていましたが、“期限”があるのでしょうか?

配信日:
この記事は約 3 分で読めます。
離婚した友人から「元夫の厚生年金を分けてもらえる」と聞きました。離婚後ならいつでも手続きできると思っていましたが、“期限”があるのでしょうか?
離婚すると、婚姻期間中の厚生年金記録を夫婦間で分けられる「年金分割」という制度があります。「元配偶者の年金を半分もらえる制度」と理解されることもありますが、実際には将来受け取る年金そのものを現金で分ける仕組みではありません。
 
また、離婚後ならいつでも請求できるわけでもなく、手続きには期限があります。しかも2026年4月の制度改正によって、離婚した時期により期限が「2年」と「5年」に分かれるため注意が必要です。今回は、年金分割の対象と期限を確認します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年金分割は「元夫の年金をそのまま半分受け取る制度」ではない

離婚時の年金分割は、婚姻期間中の厚生年金記録である標準報酬月額や標準賞与額を、一定の割合で当事者間に分割する制度です。分割後は、それぞれの厚生年金記録を基に将来の老齢厚生年金などが計算されます。
 
したがって、元配偶者が現在受け取っている年金の半額がそのまま自分の口座に振り込まれるわけではありません。また、分割の対象は厚生年金の報酬比例部分であり、老齢基礎年金そのものを分ける制度ではありません。
 

2026年4月1日以降の離婚なら、原則「5年以内」

日本年金機構によると、2026年4月1日以降に離婚等をした場合、年金分割の請求期限は原則として離婚等をした日の翌日から起算して5年以内です。2026年4月の制度改正で、従来の2年から5年へ延長されました。
 
一方、2026年4月1日より前に離婚等をした場合は、従来どおり原則2年以内です。たとえば2026年3月に離婚した人が「制度改正で5年に延びたからまだ大丈夫」と考えるのは誤りです。期限は離婚した日によって異なるため、まず離婚成立日を確認する必要があります。
 

「合意分割」と「3号分割」では仕組みが違う

年金分割には大きく「合意分割」と「3号分割」があります。合意分割は、婚姻期間中の厚生年金記録について、当事者の合意または裁判手続きによって按分割合を決めて分割する制度です。合意がまとまらない場合には、家庭裁判所の手続きによって割合を決めることもできます。
 
一方、3号分割は、2008年4月1日以後の婚姻期間中に国民年金の第3号被保険者であった期間について、相手方の厚生年金記録を2分の1ずつ分割する制度です。3号分割では原則として相手方の合意は必要ありません。ただし、対象期間や条件が決まっているため、婚姻期間すべてが自動的に半分になるわけではありません。
 

期限ギリギリまで待たず、早めに「情報提供」を受ける

合意分割を検討する場合は、年金分割のための情報提供請求を行い、対象期間や分割の対象となる標準報酬などを確認できます。実際に按分割合を決めるまでに話し合いや家庭裁判所での手続きが必要になることもあるため、請求期限の直前から動き始めると間に合わない可能性があります。
 
一定の場合には、期限までに審判や調停を申し立てていた場合などに、手続き終了後6ヶ月まで請求できる特例もあります。ただし、誰にでも自動的に適用される延長ではありません。自分のケースが該当するかは年金事務所などで確認した方がよいでしょう。
 

まとめ

離婚時の年金分割には明確な請求期限があります。2026年4月1日以降に離婚等をした場合は原則5年以内ですが、それより前に離婚等をした場合は原則2年以内です。
 
また、年金分割は元配偶者の年金をそのまま半分受け取る制度ではなく、婚姻期間中の厚生年金記録を分割し、その記録を基に将来の年金額を計算する制度です。離婚から時間が経っている場合は、まず自分の離婚日と請求期限を確認し、期限内に年金事務所へ相談しましょう。
 

出典

日本年金機構 離婚時の年金分割
日本年金機構 離婚時の年金分割の請求期限が改正されました
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu

LINE