自営業の父が「国民年金に毎月400円だけ追加している」と言っていました。たった400円なのに、将来受け取る年金が増える「付加年金」とはどんな制度なのでしょうか?
月400円と聞くと効果は小さそうに感じますが、受け取る付加年金は「200円×納付月数」が毎年上乗せされるため、長く受給すれば支払った付加保険料を上回る可能性があります。
一方、誰でも利用できる制度ではなく、国民年金基金との併用などにも制限があります。どのような仕組みなのか見ていきましょう。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
付加年金は、月400円の付加保険料で老齢基礎年金を増やす制度
付加年金は、国民年金の定額保険料に月額400円の「付加保険料」を上乗せして納めることで、将来受け取る老齢基礎年金に一定額を加算できる制度です。主な対象は国民年金第1号被保険者や任意加入被保険者で、自営業者、フリーランス、学生などのうち要件を満たす人が利用できます。
将来の付加年金額は、年額で「200円×付加保険料を納めた月数」です。たとえば10年間、120ヶ月納めた場合、支払う付加保険料は400円×120ヶ月=4万8000円です。一方、付加年金は毎年200円×120ヶ月=2万4000円が老齢基礎年金に上乗せされます。単純計算では2年間受け取ると4万8000円となり、それ以降は受取総額が納めた付加保険料を上回ります。
「2年で元が取れる」といわれるが、受給開始年齢や受給期間も考える
付加年金は納付額と加算額の関係が分かりやすいため、「2年受け取れば元が取れる」と説明されることがあります。確かに、付加保険料は月400円、年金の上乗せ額は納付1ヶ月につき年200円なので、名目額だけで比較すると2年間の受給で納付総額と同額になります。
ただし、実際には老齢基礎年金を受け取り始めてから毎年加算される仕組みです。早く亡くなった場合には受取総額が納付総額を下回ることもあります。また、付加年金は定額であり、物価スライドによる増額・減額の対象ではありません。老後資金全体を考える際は、付加年金だけでなく貯蓄や他の年金制度との組み合わせを見る必要があります。
付加保険料を利用できないケースもある
付加保険料は誰でも追加できるわけではありません。日本年金機構によると、国民年金基金に加入している人は付加保険料を納めることができません。また、保険料の免除・納付猶予・学生納付特例などの承認を受けている期間も、原則として付加保険料を納められません。利用したい場合は、自分が対象になるかを確認する必要があります。
一方、iDeCoに加入している人でも付加保険料を納めることは可能です。ただし、iDeCo側の掛金限度額との関係があるため、掛金設定には注意が必要です。
付加保険料は申し込んだ月から納付する
付加保険料は、自動的に上乗せされるものではありません。市区町村役場や年金事務所などで申し込みが必要で、原則として申し込んだ月分から納付します。過去にさかのぼって何年分も付加保険料を払うことはできないため、利用を考えている場合は早めに確認した方がよいでしょう。
また、付加保険料を納めた期間は老齢基礎年金に上乗せされますが、付加年金だけを単独で受け取るのではなく、老齢基礎年金とあわせて支給されます。繰上げ・繰下げ受給を選択した場合は、付加年金もそれに応じた扱いになります。
まとめ
付加年金は、国民年金の保険料に月400円を追加することで、将来の老齢基礎年金に「200円×納付月数」の年額を上乗せできる制度です。10年間なら付加保険料は合計4万8000円、付加年金は毎年2万4000円となるため、長く受給するほど効果が大きくなります。
ただし、国民年金基金の加入者や保険料免除中の人などは利用できない場合があります。父親が現在納めているのであれば、これまで何ヶ月納付したかを確認すれば、将来の年間加算額を簡単に計算できます。
出典
日本年金機構 国民年金・厚生年金保険被保険者のしおり
日本年金機構 電子申請対象申請書等一覧
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
