学生時代に年金の学生納付特例を利用していました。今から追納するか迷っているのですが、追納しないと将来の年金額はどのくらい減るのでしょうか?
本記事では、学生納付特例を追納しなかった場合の年金減額を具体的に試算するとともに、追納の期限や判断する際のポイントを解説します。
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学生納付特例を追納しないと将来の年金額が減る
学生納付特例制度とは、20歳以上の学生が一定の所得条件を満たす場合に、国民年金保険料の納付を猶予してもらえる制度です。
この制度を利用した期間は、保険料を納めずに放置する「未納」とは異なり、老齢基礎年金を受け取るために必要な加入期間に含まれます。ただし、将来の年金額には反映されないため、追納しなければ、その期間に相当する年金額が少なくなります。
一方、猶予された保険料を追納すれば、通常どおり納付した期間と同じ扱いになり、将来の年金額を満額に近づけることが可能です。そのため、老後に受け取る年金額を少しでも増やしたい場合は、追納を検討するとよいでしょう。
学生納付特例を追納しない場合の年金減額の目安
2026年度の老齢基礎年金の満額は、1956年4月2日以降生まれの場合、年額84万7300円です。
この金額を基に、学生納付特例を2年間(24ヶ月)利用し、それ以外の期間はすべて保険料を納めたケースで、追納しなかった場合の年金減額を試算すると以下のようになります。
84万7300円×24ヶ月÷480ヶ月=4万2365円
この場合、老齢基礎年金は年間約4万2400円、月額では約3500円少なくなる計算です。なお、追納しない期間が異なる場合の減額は、以下を参考にしてください。
・1年間(12ヶ月):年額約2万1200円減
・2年間(24ヶ月):年額約4万2400円減
・3年間(36ヶ月):年額約6万3500円減
※日本年金機構の2026年度年金額を基に試算した概算です。
追納しなかった場合は、将来受け取る年金が毎年少なくなるため、受給期間が長くなるほど、追納した場合との差も広がります。
例えば、65~85歳までの20年間にわたって年金を受け取る場合、2年間分を追納しなかったことによる減額は、「4万2365円×20年間=84万7300円」となり、受給総額に約85万円の差が生じる計算です。
ただし、実際の年金額は毎年度改定されるため、将来も同じ金額が続くとはかぎりません。今回の試算は2026年度の年金額が続くと仮定したものであり、あくまで減額の目安として参考にしてください。
学生納付特例の追納期限は10年以内! 保険料と注意点
学生納付特例で猶予された保険料は、追納が承認された月の前10年以内の期間について納めることができます。ただし、10年を過ぎると原則として追納できなくなるため、早めに期限を確認しておくことが大切です。
また、追納する際は、学生時代の保険料を基に計算した金額を支払います。ただし、学生納付特例を利用した年度の翌年度から数えて3年度目以降に追納する場合は、経過期間に応じた加算額が上乗せされるため、早めに納めたほうが負担を抑えられるでしょう。
なお、2年間分をまとめて追納する場合は、当時の保険料によっては40万円前後の支払いが必要となるため、まとまった資金を用意しておくことも大切です。実際の追納額は対象年度によって異なるため、事前に日本年金機構で正確な金額を確認しておくとよいでしょう。
一方、追納した保険料は全額が社会保険料控除の対象となり、所得税や住民税の負担を軽減できる場合があります。こうしたメリットも踏まえて追納を検討する際は、年金事務所に申込書を提出し、発行された納付書などを使って保険料を納めましょう。
学生納付特例の追納は家計の負担と将来の年金額を踏まえて検討しよう
学生納付特例を利用した期間は、保険料を追納しなければ将来の年金額に反映されません。例えば、2年間分を追納しなかった場合、2026年度の年金額を基にすると、老齢基礎年金は年間約4万2400円少なくなる計算です。
一方、追納すれば将来の年金額を増やせるうえ、支払った保険料は社会保険料控除の対象となり、税負担の軽減につながる場合もあります。
ただし、追納できる期間は原則10年以内と定められており、納付する時期によっては加算額が上乗せされる点に注意が必要です。追納にはまとまった費用がかかることもあるため、必要な金額や期限を確認し、現在の家計状況と将来の年金額を踏まえて、無理のない範囲で追納を検討しましょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
