「国民年金は将来7万円だけ…」と嘆く58歳の夫に、妻が「2年で9600円払えば、老後9万6000円受け取れる」と助言! 元手が“10倍に増える”ワケとは? 付加年金の仕組みを確認

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「国民年金は将来7万円だけ…」と嘆く58歳の夫に、妻が「2年で9600円払えば、老後9万6000円受け取れる」と助言! 元手が“10倍に増える”ワケとは? 付加年金の仕組みを確認
自営業として働く58歳の夫が「国民年金だけでは将来月7万円ほどしか受け取れず、正直心もとない」とふと漏らしたところ、妻から「毎月400円を上乗せする付加年金という制度があって、2年で元が取れるらしいよ」と提案がありました。
 
20年間払い続けても、総額は9万6000円ほどです。それが、わずか2年で回収できるというのは、本当なのでしょうか。実際の仕組みと金額を確認していきます。
西村和樹

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士

付加年金とはどんな制度なのか

付加年金は、自営業者やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者、または60歳以降に任意で加入する任意加入被保険者が利用できる上乗せ制度です。
 
毎月の定額保険料に加えて月400円の付加保険料を納めると、老齢基礎年金の受給開始後、毎年「200円×付加保険料を納めた月数」の付加年金が生涯にわたって上乗せされます。
 
なお、厚生年金に加入する会社員や公務員などの第2号被保険者は、対象に含まれません。
 

毎月の支払いはいくらになるのか

令和8年度(2026年度)の国民年金の定額保険料は、月1万7920円です。付加保険料の400円を上乗せすると、毎月の支払いは合計1万8320円になります。20年間(240ヶ月)納め続けたとすると、付加保険料だけの総額は400円×240ヶ月で9万6000円になる計算です。
 

なぜ“2年”でモトが取れるのか、実際に計算してみた

先ほどの20年間(240ヶ月)納めたケースで確認します。


・付加保険料の総額:400円×240ヶ月=9万6000円
・老齢基礎年金に毎年上乗せされる付加年金額:200円×240ヶ月=4万8000円
・回収にかかる年数:9万6000円÷4万8000円=2年

これは、20年間払い続けた場合に限った話ではありません。仮に5年間(60ヶ月)しか納めなかったとしても、総額は400円×60ヶ月で2万4000円、上乗せされる年金額は200円×60ヶ月で年1万2000円になり、2万4000円÷1万2000円はやはり2になります。
 
納めた保険料と毎年増える年金額の比率が常に2対1のため、何年払っても回収にかかる年数は2年で変わりません。
 

“生涯もらえる”からこそ差が広がる仕組み

付加年金の本当のうまみは、この2年という回収年数そのものよりも、受給が始まってからずっと続く点にあります。
 
仮に65歳から受給を始め、85歳まで20年間受け取り続けたとすると、20年間(240ヶ月)納めたケースでは4万8000円×20年で96万円を受け取る計算になり、支払った9万6000円との差は86万4000円です。
 
長生きするほど得になる一方、受給開始前に亡くなった場合は納めた分が掛け捨てになるリスクもある点は覚えておきたいところです。
 
今回の58歳の夫のケースにあてはめてみます。国民年金の第1号被保険者として保険料を納められるのは、原則60歳になるまでです。これから2年間(24ヶ月)だけ付加保険料を納めた場合、総額は400円×24ヶ月で9600円、老齢基礎年金への上乗せは200円×24ヶ月で年4800円にとどまります。
 
それでも65歳から受給を始めて20年間受け取れば、4800円×20年で9万6000円になり、9600円の元手が10倍に増える計算です。回収年数の2年という比率は、始める年齢に関係なく変わりません。
 

加入する前に確認しておきたい注意点


・国民年金基金に加入している人は、付加保険料を納めることができません。国民年金基金の給付にはすでに付加年金に相当する部分が組み込まれており、両制度の重複加入は認められていません。

・対象になるのは第1号被保険者と任意加入被保険者のみで、会社員や公務員などの第2号被保険者、専業主婦(夫)などの第3号被保険者は対象外。

・加入や辞退の手続きは、住んでいる市区町村の国民年金担当窓口や年金事務所で申出書を提出すればよく、いつでもやめられます。

「国民年金だけでは心もとない」という不安は、自営業やフリーランスとして働く人であれば一度は感じたことがあるのではないでしょうか。月400円という、決して大きくない金額から検討できる上乗せ制度として、付加年金は選択肢に入れておいて損はなさそうです。
 

出典

日本年金機構 付加年金
日本年金機構 付加保険料の納付
 
執筆者 : 西村和樹
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士

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