最低賃金で働くシニア世代の私。iDeCoや在職老齢年金制度が改正されたけど、私がもらう年金にもメリットがありそう?
平均寿命が伸び、人生100年時代とも言われる一方、低年収で資産が少ない場合、年金だけで暮らすのは厳しく、定年後も働き続ける方は少なくありません。本記事では年金関連の改正内容を解説します。
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年金額は増額しているものの…
シニア世代の生活基盤は、貯蓄した「資産」と長年納めた「年金」です。
令和8年度の年金額は前年度から国民年金1.9パーセント、厚生年金2.0パーセント引き上げられ、年金生活者支援給付金も3.2パーセント増額となります。
ただし、総務省統計局の「2020年基準 消費者物価指数」では総合指数が前年比3.2パーセント上昇しており、年金の上昇率が物価上昇に追いついておらず、実質的な購買力は低下しています。
同局の「家計調査報告2025年(令和7年)平均結果の概要」でも、65歳以上の夫婦高齢者無職世帯で月に約4万2400円、高齢単身無職世帯で月に約3万円の赤字となる結果が出ています。
シニアがより働きやすい環境になったが…
2026年4月から在職老齢年金制度の基準額は、月51万円から65万円へ引き上げられました。
在職老齢年金制度とは、厚生年金に加入しながら働く人が老齢厚生年金を受け取る際、給与と年金の合計額が基準を上回ると、年金の一部が支給されなくなる仕組みです。
一例は表1のようになります。
表1
| ひと月の賃金46万円、老齢厚生年金10万円とした例 | |
|---|---|
| 従来(2025年度3月末まで) | 2026年4月1日以降 |
| 基準額:51万円 | 基準額:65万円 |
| 老齢厚生年金:5万円分超過 | 老齢厚生年金:超過なし |
| 超過分の半分が支給停止 (この場合5万円の半分:2万5000円) |
合算後も基準額以内。支給停止なし |
※参考資料を基に筆者作成
今回の引き上げは年金超過分への優遇というより、人手不足解消の目的が大きいと推測されます。65歳以上で在籍する恩恵があるのは高年収層で低年収層は影響しません。従来の上限51万円の支給停止対象者もなく全体の約16パーセントと元から多くはありませんでした。
iDeCoもシニアが加入しやくすくなったが…
2026年12月1日から、iDeCo(個人型確定拠出年金)の法改正が決められています。改正点は以下の2点となります。
・掛金上限額の引き上げ:第1・第2被保険者・任意加入被保険者は、2026年12月分(2027年1月の引き落とし)から掛金上限額が引き上げ
・上限年齢の引き上げ:60歳以上の国民年金の加入資格のない方に70歳までiDeCoに加入可能な「第5号加入者」が新設
老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない60歳以上70歳未満の高齢者のうち、厚生年金に加入して働く会社員・公務員(第2号被保険者)は、iDeCo(または企業型DCとの合算)で月上限6万2000円まで拠出できるようになります。
とはいえ、家計調査の赤字額などを踏まえると、日々の生活費で手一杯の場合は、無理に掛金を拠出してまでiDeCoの恩恵を受けるのは難しいかもしれません。低年収であっても、可能な限り長く働き、厚生年金に加入して将来の受給額そのものを増やすことが、より確実で優先度の高い選択肢といえるのではないでしょうか。
まとめ
2026年4月には在職老齢年金制度の基準額が引き上げられ、12月にはiDeCoの加入可能年齢や掛金上限額の見直しも予定されています。ただし、これらの制度改正を活用できるかどうかは、年齢や働き方、収入、これまでの加入状況などによって異なります。
今回の夫婦のように、制度改正によるメリットを大きく受けられないケースでも、無理に対策を増やす必要はありません。ご自身の家計やライフスタイルに合わせて働き方を考えながら、将来の年金額や必要な老後資金を少しずつ確認していくことが大切です。
出典
厚生労働省 令和7(2025)年簡易生命表の概況 結果の概要 1.主な年齢の平均余命
日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について
総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)平均 2.2025年(令和7年)平均 概況(4ページ)
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要(18ページ)
政府広報オンライン 年金・保険 もっと働きたい!に応えて、在職老齢年金制度の基準額が2026年4月から引上げに
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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