65歳の父の年金は「月14万円」ほど。「会社員として長く働いたのに少ない気がする」と不満げですが、平均と比べて低い水準なのでしょうか? 実際に「月14万円」程度の年金を受け取っている人はどれくらいいますか?
本記事では、月14万円という年金額が平均と比べてどの程度の水準なのか、実際に受給している人の割合などをもとに分かりやすく解説します。
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厚生年金の平均受給額はいくら? 男女別の金額と受給額に差が生じる理由
会社員として長年働いてきたものの、実際に受け取れる年金額が想定よりも少なく、老後の生活に不安を感じる人もいるでしょう。
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(第1号)受給権者全体の平均年金月額は15万289円となっています。これを男女別に見ると、男子の平均年金月額は16万9967円、女子の平均年金月額は11万1413円です。
老齢厚生年金は、国民年金を受け取れる方が厚生年金の加入期間がある場合に、基礎年金に上乗せして原則として65歳から受け取れる仕組みになっています。厚生年金の受給額は、会社員として加入していた期間や、その間の報酬額などに応じて計算されるため、人によって受給額に差が生じます。
月14万円程度の年金を受け取っている人はどれくらいいるのか
では、実際に「月14万円」程度の年金を受給している層はどれくらいいるのでしょうか。
厚生労働省の同調査によると、老齢年金受給権者全体の1608万5696人のうち、年金月額が「14万円以上15万円未満」の階級に該当する人は92万9264人で、全体の約5.8%を占めています。この階級を男女別に分解すると、男子は65万7775人、女子は27万1489人です。
前述の平均年金月額15万289円と比較すると、月14万円程度の受給額は平均をやや下回る水準です。ただし、年金額は現役時代の報酬額や厚生年金の加入期間などによって異なるため、平均より少ないからといって、必ずしも特別に低い金額というわけではありません。
年金額の算出基準と受給開始時期による金額変化の仕組み
年金の受給額が人によって異なる理由を理解するには、年金額が決まる仕組みや、受給開始時期によって金額が変わる制度について知っておくことが大切です。
日本年金機構によると、老齢厚生年金の年金額は、次の計算式で構成されています。
・「報酬比例部分+経過的加算+加給年金額」
経過的加算の算出においては、昭和31年4月2日以後生まれの方の場合、定額部分として計算した額から84万7300円(昭和31年4月1日以前生まれの方は84万4900円)に特定の乗数を掛けた額を差し引いて計算されます。
また、厚生年金の被保険者期間が20年以上ある受給者に生計維持関係にある配偶者や子がいる場合、支給される加給年金などの加算要素もあります。
さらに、年金は受給開始時期を調整することもできます。原則として65歳から受け取れますが、60歳から65歳になるまでの間に受給を開始し、年金額が減額される「繰上げ受給」や、66歳から75歳までの間に受給を開始し、年金額が増額される「繰下げ受給」を選択できます。
受給額の現実的な位置付けと今後の老後資金計画
ここまでの具体的なデータや制度内容を整理すると、65歳の父親が受給する「月14万円」という年金額は、男子平均と比較するとやや低いものの、必ずしも特別に低い金額というわけではありません。
年金額は現役時代の標準報酬月額や加入月数、さらには繰下げ受給や加給年金の有無といった制度上の要件が組み合わさって計算されています。
支給額の多寡だけに一喜一憂するのではなく、年金の仕組みや各種加算要件を正確に把握したうえで、自分の年金額に応じた現実的なマネープランを組み立てていくことが大切です。
出典
厚生労働省年金局 令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 (参考資料3)厚生年金保険(第1号)男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数(26ページ)
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
