更新日: 2019.08.20 その他年金

【遺族年金の疑問】無職で年金暮らしの夫婦。夫がなくなった場合の妻の受給額はいくら?

執筆者 : 小久保輝司

【遺族年金の疑問】無職で年金暮らしの夫婦。夫がなくなった場合の妻の受給額はいくら?
遺族年金とは、被保険者が亡くなったときに、その方に生活を維持されていた遺族が受け取ることができる公的年金です。遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、亡くなられた方の年金の納付状況などにより、支給される年金が変わってきます。
 
複雑な遺族年金ですが、ここでは無職で年金暮らしをしている夫婦において、夫が亡くなった場合に妻が受給する遺族年金の例で考えてみましょう。
 

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小久保輝司

執筆者:小久保輝司(こくぼ てるし)

幸プランナー 代表

30数年の営業経験と金融・経済の知識をマッチング納得いくまでお話しさせていただきます。

遺族年金の種類は?

遺族年金の種類の内、「遺族基礎年金」とは、亡くなった国民年金の被保険者によって生計を維持されていた、「子のある配偶者」か「子」が受け取ることができる年金です。
 
一方、「遺族厚生年金」とは、亡くなった厚生年金保険の被保険者によって「生計を維持されていた遺族」が受け取ることができる年金です。もちろんどちらの場合も、亡くなった被保険者が受給要件を満たしている必要があります。
 

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具体的な例で考えてみましょう

現在夫は68歳で、60歳まで会社員で厚生年金に加入、妻は65歳で専業主婦、子供は独立した2人だけの家族で、65歳から年金を受給し夫が死亡した場合を考えてみましょう。年金は平均受給額で計算いたします。
 
・遺族厚生年金の支給要件と対象者とは?
まず、遺族厚生年金について、「支給要件」は老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき、「対象者」は死亡した者によって生計を維持されていた妻ですので、この夫婦はこの遺族厚生年金の支給要件と対象者の条件を満たしています。
 
・年金額は?
「夫婦とも健在」の場合、年金の平均受給額は、夫約15万円(老齢基礎年金の部分5万円、老齢厚生年金の部分10万円)と妻約5万円(老齢基礎年金)の合計約20万円となります。
 
「夫が死亡した場合」の妻の年金額は、本人の老齢基礎年金約5万円と夫の遺族厚生年金の部分約7.5万円(老齢厚生年金10万円×3/4)で、合計約12.5万円になります。従って、夫が死亡した場合の妻の年金額は、夫が健在のときの60%強となります。
 

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老後の生活費と家計の見直し

夫婦での老後1ヶ月の生活費は、平均で約26万円と言われています。夫婦とも健在であれば、収入が約20万円ですので6万円不足となります。夫が亡くなった場合、妻の生活費は税金・社会保険料を含め約15万円かかります。妻の収入は約12.5万円ですので2.5万円不足となります。
 
一人暮らしの生活費の詳細は、食費(3.5万円)住居費(1.5万円)高熱・水道費(1.3万円)家具・家事(0.6万円)被服費・履物(0.4万円)保険・医療(0.8万円)交通費(1.3万円)教養・娯楽費(1.7万円)その他消費(3.1万円)の合計約14万円となり、これに税金・社会保険料(1.3万円)が加算されます。
 
個人個人により事情は異なりますが、家計の見直しをして、住宅ローンなどの借金がなく、自宅で暮らすのであれば生活できるのではないでしょうか。
 

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夫が亡くなった後の妻の老後は

やはり夫が亡くなった後の老後は、お金の問題が出てくると思います。65歳女性の平均余命は約25年ですが、この例で見ると、金融資産を加味しない場合、年金だけでは750万円(不足分2.5万円×12ヶ月×25年)ほど不足となります。
 
ただ、公的年金は終身ですので、この家庭では妻が家計の見直しをして、少しの副収入を確保できれば生活は可能と思います。夫が亡くなった後、最初に妻のすることは、身の回りの整理です。次にキャシュフロー表を作成して、90歳時に金融資産がどうなっているのか見てみましょう。
 
悲しみを乗り越え少し外に出て働いたり、地域の活動に参加してみたらいかがでしょうか? また趣味を持つのも楽しいですね。少しでも生活のたしになり、友人作りにもなったらいいですね。
 
今から新しい人生が始まると思い前向きに考えましょう。少しでも生活費のコストをかけないように工夫するのも楽しみの一つになるかもしれませんよ。
 

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まとめ

65歳の女性の平均余命は約25年あり、90歳まで生きるという計算になります。長い時間をいかに有意義に暮らすかということが大切になってきます。しかし健康寿命では、女性の場合約74歳と、90歳まで不健康で暮らす時間が約16年というデータもあります。
 
家計に加え、体もメンテナンスをして、健康寿命を延ばす努力をいたしましょう。あまり背伸びせずに、健康・生きがい・お金のバランスが取れた生活を送るのがベターだと思います。
 
出典
(※1)厚生労働省 平成29年度厚生年金保険・国民年金保険事業の概況
(※2)総務省 家計調査報告(家計収支編)―平成29年(2017年)平均速報結果の概要―
 
執筆者:小久保輝司
幸プランナー 代表