執筆者: 澤邉大樹
そこで今回は薬剤師転職で成功するために面接で何を準備しておくべきかを紹介します。面接で聞かれることと解答例も掲載しておくので参考にしてください。
面接の用意はきちんと
基本的には、薬剤師転職は他の職種と比較すると売り手市場です。面接対策は不要と思っている人も少なくありません。しかし条件の良い転職先や人気のある職種はやはり転職が難しくなりつつあります。面接の用意をきちんとしておくことが必須です。
自分がしてきた仕事を箇条書き
どの職業の場合でも面接前に必要なのが、今までどのような仕事をしてきたのかをチェックする経歴の棚卸しです。できるだけ具体的に何をしてきたのかを、書き出しておきましょう。そうすると自分自身でもわかっていなかった自分の強みも発見できます。また必ず聞かれるであろう自己PRやこれまでの経歴を、最も効果的に話す準備としても重要です。
面接先について調べる
これから転職しようとしている面接先について、調べられることはできるだけ情報を確保しましょう。転職してから、こんなはずではなかったと思わないためにはもちろん、面接で質問に答えられるためにも必要です。
想定できる質問としては「なぜ弊社を希望するのか?」があります。ただ年収が高いからや勤務地が家から近いからでは答えになりません。
社会人としてのマナーを確認
最低限のマナーを今一度チェックしておきましょう。入室の際にどのように声がけをすべきか、席に着く前に一度あいさつし「お座りください」と言われてから着席するなどです。
退室する際にも気をつけるべきことがいくつかあります。席を立った際にお辞儀をし、ドアの手前でもう一度振り返ってあいさつをし、音を立てないように気をつけてドアを開け退室します。簡単なマナー本などを参考にして大切なことを箇条書きにして、自分ができているかどうか確認してみましょう。
また服装など良い印象を与えられるかどうかもチェックが必要です。自分一人で決めずに、第三者に意見を聞いてみましょう。同世代の友人だけではなく、いろいろな世代の意見を聞いてみてください。
面接での質問を想定し答えを用意
新卒の就職活動ですでに面接は経験したと思っているかもしれませんが、新卒と転職では質問の種類が異なります。転職のための面接質問集などを参考にしてご自身の言葉で用意しておきましょう。
薬剤師転職の面接での質問集
面接でどのような質問があるのか心配だと思います。転職の面接は、新卒時の面接とは少し異なります。前もって答えを準備しておけば、本番でもよどみなく答えられ、印象も良くなるかもしれません。
どの質問でも同様ですが、できるだけネガティブなことを言わないようにしましょう。原則としてはポジティブに答えます。ここでは具体的な質問を想定し、回答集を作りましたので参考にしてください。
転職したい理由
転職したい理由、特になぜ自社に転職したいのかを面接官は聞きたいと考えています。理由を考えるにあたっては、転職先の仕事についてきちんと調べていないと答えられません。例えば、転職先でかかりつけ薬剤師を希望する場合は次のような回答をします。
「今まで働いてきた大きな病院では、患者さんとのつながりがまったくありませんでした。できれば地域密着型で患者さん一人ひとりと確かな関係を築いて、本当に自分でなくてはいけない仕事をしたいと思い、御社を志望いたしました。在宅医療・訪問サービスなどは今まで経験がありませんが、自分自身のキャリアアップのためにも積極的に携わりたいと考えています。」
退職理由
実際の退職理由は、人間関係の疲れや仕事への不満などもあるかもしれませんが、ネガティブに話すことはNGです。嫌なことがあれば簡単にすぐ辞めてしまうというイメージをもたれてしまいます。
できるだけポジティブな理由を考えましょう。もっと経験を積みたいという将来に向けて学んでいく姿勢を見せることが大切です。「今まで勤務していた薬局ではとても頼りにされており、管理の一部も任されていましたが、これ以上スキルアップできる可能性を感じられませんでした。
御社には充実した研修制度があることに惹かれて志望しました。将来的には、マネジメントスキルも身につけ後輩の指導もしていきたいです。」
今までしてきた仕事
事前にご自身の経歴を棚卸ししておくと、どの分野で経験があるのか、即戦力となり得るのかを面接官に伝えられます。どのような規模の職場で仕事をしていたのか、できるだけ具体的に話すようにしましょう。
今までの経験で得たスキルが、将来の仕事とどのように結びつくかもきちんと説明できるようにしておきます。転職が多い人は不利になるのではないかと心配になるかもしれませんが、転職によって得たものをアピールし、今までに得たスキルでこれからじっくりと仕事を続けていきたいことを印象付けましょう。
将来について
「入社した場合、どのような経験を積みたいですか?」「薬剤師として何をしたいと考えていますか?」といった将来への展望を聞かれることも多いです。できるだけ将来に夢を持っていることと同時にそのための現実的なキャリアプランも持っていることをアピールします。
「まず仕事を覚え、その後マネジメントスキルも身につけて後輩の指導にあたりたいと考えています。」「患者さまに信頼していただける地域に貢献できる薬剤師を目指します」など。
「何か質問したいことはありますか?」
質問することであなたの独自性をPRするチャンスです。転職先の公式サイト等で見て疑問に思ったことを質問してみましょう。的確な質問をすれば、転職先への興味が強いことが面接官に伝わります。会社について調べ、いくつかの質問を用意しておきましょう。
ただしお金や休暇についての質問はあまり歓迎されません。面接官によっては不快に感じる可能性があります。
面接に持って行くものチェック
面接に行く際に用意するものを紹介します。せっかくここまで準備したのですから、忘れないように必要なものを用意して臨んでください。持って行くものリストを用意し、面接前夜にもう一度チェックをしましょう。
履歴書のコピー
複数の職場に履歴書を提出している場合、職場に合わせてある程度アプローチの仕方を変えている場合もあります。提出した履歴書に何が書いていたのか、面接の前にチェックすることが必要です。
面接官は履歴書に書かれたことを前提に質問しますから、書いていることとまったく違う答えをしてしまうと信頼してもらえません。提出した履歴書はコピーをとっておき、面接前に一通り目を通しておきましょう。
筆記用具
面接時には、適性テストや簡単な筆記試験、アンケートなどを書かなくてはいけない場面もあります。面接官に借りるのはイメージダウンです。また何かメモする必要が出てくる可能性もあるので、ボールペン、シャープペン(鉛筆)、消しゴムは常備しておきましょう。
面接時に次の面接をいつするかを相談される可能性もあります。予定の確認をし、メモができるようにスケジュール帳も持参すると良いでしょう。
スマホ
スマホは、不意な出来事で面接に遅れる可能性が出てきた場合に必要です。もし遅れそうなら連絡をしなくてはいけないため、連絡先を登録し充電をして持参しましょう。道に迷った際にもスマホを持っていれば検索もできて便利です。
ただし、面接中に音が出ないように設定しておくことは忘れないようにしましょう。バイブ音でも気になるものです。面接時には電源を切っておくかバイブ音もないマナーモードにしておくことを忘れないようにしましょう。
身だしなみに必要なもの
第一印象でマイナスイメージを与えるのは損です。身だしなみには気をつけておきましょう。化粧が崩れていると、不潔なイメージになります。手鏡を持っていると面接前に髪や襟元、ネクタイ、口元などをチェックできるので便利です。
ヘアケア用品や化粧ポーチも携帯していると安心です。その他女性はストッキングの予備も忘れずに用意しておきましょう。
薬剤師転職は面接の用意をしっかりして臨もう
薬剤師転職時にする面接のために用意すべきものを紹介しました。事前に用意しておくと不安なく面接を受けられます。面接の答えも用意しておくと、あがらずに落ち着いて受け答えができ、あなたの魅力をアピールできるでしょう。準備万端にし、ベストコンディションで面接を受けてください。
監修:澤邉大樹
・キャリアコンサルタント、社会調査士
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