「年金収入だけなら確定申告は不要」と信じていた70代の父。突然税務署から「数十万円の追徴課税」の通知が届きパニック! “確定申告不要制度”の落とし穴を解説!
たとえ、年金収入だけでも条件に合わない場合には、確定申告が必要となることがあります。本記事では、「確定申告不要制度」に該当するための条件および、どのような場合に追徴課税されるのかについて解説します。
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
「確定申告不要制度」に該当するための条件とは?
確定申告不要制度とは、年金受給者が確定申告手続きに伴う負担を減らすための制度です。ただし、すべての年金受給者がこの制度の対象となるものではありません。以下、1および2のいずれにも該当する場合のみ、確定申告は不要となりますので注意してください。
1.公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となること
なお、公的年金等とは、国民年金や厚生年金などのいわゆる公的年金以外に、国の公的年金に上乗せして会社が支給する企業年金も対象となりますので、注意が必要です。
2. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であること
ここで、公的年金等に係る雑所得以外の所得とは、パート・アルバイト代や給与所得に加え、生命保険や共済などの契約に基づいて支給される個人年金や生命保険の満期返戻金などが含まれますので、この点も注意が必要です。
また、確定申告不要制度の対象者でも、以下のケースに該当する場合は、確定申告が必要ですので、ご留意ください。
1. 所得税の還付を受ける場合(確定申告)
(1)マイホームを住宅ローンなどで取得した場合
(2)一定額以上の医療費を支払った場合
(3)災害や盗難にあった場合
2. 住民税の申告が必要な場合(住民税の申告)
(1)生命保険料控除や地震保険料控除などの控除の適用を受ける場合
(2)公的年金などに係る雑所得以外の所得がある場合
どのような場合に追徴課税されるのか?(落とし穴)
以下の場合には、追徴課税される可能性があります。
1. 公的年金等が400万円を超える場合
国民年金や厚生年金などのいわゆる公的年金だけでなく、企業年金も対象となります。したがって、公的年金だけで400万円未満であっても企業年金と合算して判定する必要があります。
2. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超える場合
個人年金や生命保険の満期返戻金、土地や建物の売却益、株・投資信託での利益(特定口座で源泉徴収なしの場合)などの所得も該当します。これらの所得金額の合計が20万円を超える場合には、確定申告をする必要があります。
3. 住民税の申告漏れ
確定申告不要制度の対象者でも、公的年金などに係る雑所得以外の所得が年間1円でもある場合には住民税の申告は必要となります。
住民税の申告をしなかったため、住民税の未納分+延滞金が「追徴課税」としてまとめて通知された可能性があります。ただし、この場合は税務署からではなく市区町村から納付書(追徴)が届きます。
まとめ
残念ながら「年金収入だけなら確定申告は不要」とはなりません。確定申告が不要となる制度をよく確認し、必要な場合には確定申告をする必要があります。
なお、追徴課税が来てしまった場合には、冷静になって、通知書を手元に置いて、税務署(住民税の場合は市区町村)に問い合わせるようにしましょう。
出典
内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン ご存じですか? 年金受給者の確定申告不要制度
執筆者 : 堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー
