職場で人手不足が続き、断れずに毎月残業していたら年間収入が想定より増えていました。自分ではシフトを増やしていなくても、「税金の壁」を超えたら所得税は増えるのでしょうか?
残業代も給与の一部なので、年間の給与収入が増えれば所得税に影響することがあります。
ただし、「壁を1円でも超えたら、収入全体に急に高い税金がかかる」という仕組みではありません。2026年分の所得税では基礎控除なども改正されています。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
残業代も、基本的にはその年の給与収入に含まれる
会社から支払われる基本給だけでなく、残業手当なども原則として給与として扱われます。
そのため、本人が希望してシフトを増やしたわけではなくても、残業代によって年間の給与収入が増えれば、その年の所得税を計算するときの収入額にも反映されます。
2026年分は、給与収入178万円以下なら所得税がかからないケースがある
2026年分について、給与収入だけでほかに所得がない人は、給与収入が178万円以下であれば原則として所得税はかかりません。2026年度税制改正により、給与所得控除の最低保障額は74万円、基礎控除は一定の所得の人で104万円となり、合計178万円が一つの目安になっています。
たとえば年初には年収170万円程度を想定していた人が、残業で年間180万円になった場合、178万円という目安を上回ります。
ただし、実際の税額は社会保険料控除、生命保険料控除など、その人が利用できる所得控除によっても変わります。したがって「180万円になったから必ず所得税が発生する」と単純には言えません。
「壁」を超えても、超えた瞬間に収入全体へ課税されるわけではない
所得税は、給与収入そのものにそのまま税率を掛けるのではありません。給与所得控除や基礎控除、社会保険料控除などを差し引いたあとに残る「課税される所得金額」を基に計算します。また、所得税率は課税所得に応じて5%から45%まで段階的に設定されています。
そのため、税金の目安を少し超えたことで、増えた残業代以上に所得税が増えて手取りが逆に大幅に減る、という理解は正確ではありません。一方で、住民税や配偶者の税控除、社会保険の扶養などは別の基準で判定されるため、「所得税の壁」だけを見ればよいわけでもありません。
毎月の源泉徴収と、最終的な年税額は別
会社員の場合、毎月の給与から所得税が源泉徴収されています。しかし、最終的な税額は1年間の給与額や各種控除を基に年末調整などで精算されます。残業が増えた月に所得税の天引き額が増えていても、それがそのまま年間の最終税額になるとは限りません。
2026年度の税制改正は原則として2026年12月1日に施行され、2026年分の所得税に適用されます。そのため、2026年11月までの源泉徴収事務には変更がなくても、12月の年末調整では改正後の控除額を使って精算されます。
まとめ
自分からシフトを増やしていなくても、残業代が増えれば年間の給与収入は増え、所得税に影響することがあります。ただし、税金の「壁」を少し超えただけで、給与全体に突然税金がかかるわけではありません。
2026年分では、給与収入だけでほかに所得がない人について178万円が一つの目安ですが、実際の所得税は各種所得控除によって変わります。年末に源泉徴収票を確認し、年間給与と控除額を見て判断することが大切です。
出典
国税庁 No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.2260 所得税の税率
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
