母が6年前「金の延べ棒100g」を“60万円”で購入!「今売れば229万円」と喜んでいますが、高価なので税金が心配です。「家にあったものだから非課税」らしいですが、大丈夫でしょうか? 条件を確認

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母が6年前「金の延べ棒100g」を“60万円”で購入!「今売れば229万円」と喜んでいますが、高価なので税金が心配です。「家にあったものだから非課税」らしいですが、大丈夫でしょうか? 条件を確認
金の価格が上がり、家にしまってあった金の延べ棒を売ろうと考える人もいるのではないでしょうか。
 
今回のケースは、母親が6年前に約60万円で買った100グラムの延べ棒を買取店に持ち込むと、約229万円になったというものです。母親は「家にあったものだから税金はかからない」と言いますが、本当でしょうか。金を売ったときの税金の決まりと、申告が必要になる条件を確認します。
高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士

家にあったものでも、金の延べ棒は非課税にならない

家具や衣服、通勤用の自動車など、生活に通常必要な動産を売ったときの所得には、税金がかかりません。ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものは除かれます。
 
今回の延べ棒は1本で約229万円なので、非課税の扱いは受けられません。国税庁は、金地金を売ったときの所得は原則として譲渡所得になり、給与や年金など他の所得と合わせて課税する「総合課税」の対象としています。
 
金の売り買いを仕事のように続けている場合は、事業所得や雑所得になりますが、今回のように手持ちの1本を売るだけなら譲渡所得です。
 
税金がかかるかどうかは、家に置いてあったかではなく、何をいくらで売ったかで決まります。
 

229万円で売ると、税金の対象になるのはいくらか

譲渡所得は、売った金額から、買ったときの金額と売るときの費用を引いて求めます。そこから特別控除の50万円を差し引き、持っていた期間が5年を超える場合は、さらに2分の1にする仕組みです。
 
今回のケースでは、買取価格を1グラムあたり約2万2900円とし、売るときの手数料はかからなかったものとして計算します。

・2万2900円×100グラム=229万円(売った金額)
・229万円-60万円=169万円(売却益)
・169万円-50万円=119万円(特別控除後の金額)
・119万円÷2=59万5000円(課税の対象になる所得)

金の価格は、この6年で大きく上がりました。今回のケースでは、延べ棒を買った金額の4倍近くで売れたことになります。
 
・229万円÷60万円=約3.8倍(6年間の値上がり)
 
6年前に買った延べ棒なので、持っていた期間は5年を超える長期の保有にあたります。売却益169万円に対し、課税の対象になる所得は59万5000円と、3分の1ほどに収まる計算です。
 
買ってから5年以内に売っていたら、2分の1にする計算がなく、119万円がそのまま課税の対象でした。売る時期によって、対象の金額が2倍違ってくるわけです。
 

母親の場合、確定申告は必要になるのか

年金を受け取っている人は、公的年金等の収入が400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下なら確定申告は不要です。今回は、2分の1にしたあとの59万5000円は20万円を超えるため、申告不要の条件には当てはまりません。これまでは年金の収入だけで申告をしてこなかった人でも、延べ棒を売った年は扱いが変わります。
 
59万5000円は年金などの所得と合計され、所得控除を差し引いて残る分に所得税がかかります。実際の税額は、年金の額やほかの所得によって変わるため、一律にいくらとは言えません。売ったお金を全部使ってしまうと、翌年に納める税金が手元に残らないこともあるため、納税分は分けておくとよいでしょう。
 
なお、売却益が50万円以下なら、特別控除の範囲に収まるので税金はかかりません。買ったときの金額が分かれば売却益を正しく出せるため、購入時の明細や領収書を探しておくと安心です。
 

まとめ

金の延べ棒は、家にしまってあったものでも、売れば譲渡所得として税金の対象になります。
 
今回のケースでは、約229万円で売ると、課税の対象になる所得は59万5000円です。年金以外の所得が20万円を超えるため、年金と合わせた税額を確かめ、必要に応じて確定申告をするとよいでしょう。
 

出典

国税庁 No.3161 金地金の譲渡による所得
 
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

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