「退職金2000万円」から自分への“定年祝い”で「750万円のレクサス」を買おうとしたら、妻に「退職したら収入ゼロでも税金が一気にくる!」と怒られました…“40年働いたご褒美”には高すぎるでしょうか?

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「退職金2000万円」から自分への“定年祝い”で「750万円のレクサス」を買おうとしたら、妻に「退職したら収入ゼロでも税金が一気にくる!」と怒られました…“40年働いたご褒美”には高すぎるでしょうか?
所得税は、所得が多いほど税率が高くなる仕組みです。
 
そのため、退職金を一度に2000万円も受け取ると高い税率がかかり、結局所得税で大きく持っていかれると考える人もいるでしょう。定年を迎えた家庭では、税金に備えて退職金を残しておきたい妻と、長年働いてきたご褒美に使いたい夫とで、意見が割れることがあるかもしれません。
 
しかし、退職金にかかる税金は、毎月の給与とは異なる方法で計算されます。では、退職金を受け取ったあと、実際にはどれくらいの税金がかかるのでしょうか。
 
本記事では、退職金にかかる税金の計算方法を解説し、退職金2000万円の税額を勤続年数別にシミュレーションします。あわせて、退職翌年の住民税と、手元に残る金額から考えるご褒美の目安も解説します。
竹下ひとみ

FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種

銀行にて12年勤務し、法人および富裕層向けのコンサルティング営業に従事。特に相続対策や遊休地の有効活用に関する提案を多数手がけ、資産管理・税務・不動産戦略に精通。銀行で培った知識と経験を活かし、収益最大化やリスク管理を考慮した土地活用のアドバイスを得意とする。

現在は、2社の経理を担当しながら、これまでの経験をもとに複数の金融メディアでお金に関する情報を発信。実践的かつ分かりやすい情報提供を心がけている。

退職金にかかる税金の計算方法

退職金の税額は、給与などほかの所得と合算せず、退職金だけをもとに計算するのが特徴です。
 
さらに、退職金には勤続年数に応じた退職所得控除があります。税金の対象になるのは、退職金からこの控除額を差し引き、残った金額をさらに2分の1にした部分だけです。
 
計算式にすると「(退職金-退職所得控除額)×2分の1」で、所得税と住民税はどちらもこの金額をもとに計算されます。
 
控除額は、勤続20年以下なら1年につき40万円で、最低80万円、勤続20年を超えると、800万円に、20年を超えた1年ごとに70万円を加えた額になります。
 
税金がかかる場合であっても、勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を出しておけば、税金は退職金の支払時に差し引かれ、原則として確定申告は必要ありません。
 

勤続年数別の税額シミュレーション

では、退職金2000万円を一時金で受け取ると、税金はいくらになるのでしょうか。
 
申告書を提出している前提で、所得税と復興特別所得税、住民税の合計額を2026年分の税率で試算しました。


・勤続20年:控除額800万円/税金約139万円/手取り約1861万円
・勤続30年:控除額1500万円/税金約41万円/手取り約1959万円
・勤続40年:控除額2200万円/税金0円/手取り2000万円

勤続40年になると、控除額の2200万円が退職金を上回るため、税金がかかる部分が残りません。そのため、40年働いて受け取った2000万円の退職金には、所得税も住民税もかからないのです。
 

退職翌年の住民税とご褒美の目安

給与にかかる住民税は、前年1年間の所得をもとに計算され、翌年の6月から納める仕組みです。退職すると給与からの天引きがなくなるため、市区町村から届く納税通知書で納めます。
 
例えば、2026年12月末に退職すると、2027年6月から納める住民税は、2026年1年分の給与をもとに計算されます。所得割の税率は10%のため、課税所得が300万円なら約30万円です。
 
では、ご褒美にはいくらまで使えるのでしょうか。65歳で退職し、退職金のほかに老後資金の蓄えがない夫婦を前提に考えます。
 
総務省の家計調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯は2025年平均で、毎月の支出が収入を4万2434円上回っていました。仮にこの不足が95歳までの30年間続くと、約1528万円です。2000万円から住民税の約30万円と不足分を差し引くと、ご褒美に回せる目安は約442万円になると試算できます。
 

まとめ

勤続40年で受け取る退職金2000万円には、所得税も住民税もかかりません。
 
翌年に届く納税通知書で支払う税金は、退職金ではなく前年の給与にかかる住民税です。ただし、退職金で老後の生活費の不足も補う場合、ご褒美の目安は約442万円と試算でき、750万円のレクサスはこれを約308万円上回ります。
 
差額の約308万円を退職金以外の蓄えでまかなえるかどうかを、夫婦で判断してみてはいかがでしょうか。
 

出典

国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要
 
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種

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