令和元年から年末調整はどう変わる? 注意点をチェック
配信日: 2019.11.20 更新日: 2020.04.07
今回は、年末調整の仕組みや、今後の変更点などを一緒に確認していきましょう。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
年末調整のおさらい
年末調整は、会社などに勤務して毎月お給与をもらっている方が、1年間の収入と税金の金額を最終的にチェックする手続きです。ご存じの通り、私たちが毎月もらうお給与は、あらかじめ社会保険料や税金が差し引かれています(源泉徴収)。
しかし、実際のところは、税金が多く引かれすぎていたり、逆に、納めなければいけない税金が不足していたりするケースがあるので、12月に全て精算しようというのが、年末調整ですね。
今年1年の間に、子どもが生まれて扶養家族が増えた方や、保険に加入した方は、年末調整できちんと申告をすることによって、多く納めすぎた税金が戻ってきます。住宅ローンを支払っている方も、手続きを行いましょう。年末調整では、必要な書類を添付しなければいけないケースがあるので、早め早めに準備することがポイントです。
令和元年以降の注意点
毎年の恒例行事である年末調整ですが、令和元年度は、平成25年1月1日から令和19年12月31日まで「復興特別所得税」が徴収されることを頭に入れておきましょう。
さらに、念のため留意しておきたいのは、令和2年分から適用される年末調整の改正事項についてです。法律の改正により、「令和2年分 源泉徴収税額表」の改正や、「令和2年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の様式変更が行われました。また、令和2年分から、給与所得控除および基礎控除に関する改正や、住宅借入金等特別控除の改正なども行われます。
来年は、年末調整の書式等に変更が行われ、本年度とは大きく異なる予定なので、あらかじめ頭に入れておくとよいでしょう。さらに今後の変更点について詳しく知りたいという方は、国税庁のホームページ(※)を確認してくださいね。
年末調整しないとどうなるの?
一般的に、1年間の収入が2000万円以上ある方や、年の途中で退職し、まだ手続きを行っていない方などは、自分自身で確定申告の手続きを行う必要があるため、年末調整だけで手続きを終わらせることはできません。
一方、ほとんどの給与所得者の方は、年末調整を行い、比較的簡単な手続きを行うことで、1年間の所得税の納税を完了させることができます。しかし、もし年末調整を期限内に行わないと、来年2月から3月に、自分で確定申告の手続きをしなければなりません。
確定申告は、時間も手間もかかり、年末調整よりもはるかに大変です。よりスマートに納税手続きを完了させるために、年末調整を行うようにしましょう。
いかがだったでしょうか? 今年も、会社の人事部等から年末調整の書類を受け取り、少しおっくうに感じている方もいるかもしれません。しかし、年末調整は、日本国民として、税金をしっかりと申告しなければならない大切な手続きです。今年も後回しにせずに、早め早めに準備するよう心がけましょう。
参考
(※)国税庁 令和元年分 年末調整のしかた
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者