年末調整に間に合わなかったらどうすればいい?確定申告するときの注意点
配信日: 2019.02.04 更新日: 2019.06.28
しかし、期日までに書類の提出が間に合わないなど、何らかの事情によって年末調整を受けられないということもあるでしょう。年末調整を受けられなかった場合はどうすればよいのでしょうか。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
年末調整を受けられなかったら確定申告を
もし、勤め先において年末調整を受けられなかったときは、自分自身で「確定申告」を行う必要があります。
確定申告とは、簡単にいってしまえば年末調整と同様に、正しい税金の額を確定させるための手続きです。会社が行っている年末調整を自分で行うようなイメージです。
金額を確定させた結果、払いすぎている税金があればその部分については還付を受けることができます。逆に不足分があれば不足する税金を納めることとなります。基本的には還付によって戻ってくることがほとんどなので、不足金を支払うことはレアケースと思ってよいでしょう。
注意点(1)確定申告は期間が決まっている
確定申告も年末調整同様、期間が決まっています。
前年の1月から12月までの収入などを基準に、翌年の2月16日頃から3月16日頃までの決められた期間に確定申告を行うことになるのです。
※平成30年分の確定申告の期間は平成31年2月18日から3月15日までとなっています。
万が一、期間内に間に合わなかったとしても、遅れて確定申告を行うことが可能です。ただし、その場合は期間後申告として扱われ、無申告税を課されることがあるため、注意してください。
注意点(2)必要な書類を集めておく必要がある
確定申告をするにあたっては必要な書類を一式そろえておく必要があります。確定申告書や源泉徴収票、各種支払いの証明書など、必要な書類は早めにそろえておきましょう。
特に、生命保険料などの控除証明書は、10月から11月頃にかけて郵送されてくることが多く、確定申告までの間に紛失してしまったり、保管場所がわからなくなったりすることも少なくありません。届いた控除証明書などは、しっかりと保管しておくとともに、紛失などにより再発行が必要となった書類は、早めに手配をしておくべきでしょう。
注意点(3)申請書の選び方や記載の方法が複雑
確定申告の申請書には、所得の種類などに制限のある「申告書A」とだれでも使用できる「申告書B」とがあります。
※申告書Aは申告する所得が給与所得や公的年金など・そのほかの雑所得、配当所得、一時所得のみで、予定納税額のない方が使用できます。
どちらの申請書も記入欄がいくつもあり、人によっては記入が難しく感じることもあるかもしれません。
申請書の選び方や記載の方法などに不安のある場合は、お住まいの地域を管轄する税務署に相談するとよいでしょう。
注意点(4)確定申告をしないと無申告税を課されることがある
年末調整を受けていない人が、確定申告もしないと、無申告税を課される可能性があります。
無申告税は50万円までの部分で15%、50万円を超える部分については20%と非常に高額です。ただし、本来の期限から1ヶ月以内に自主的に申告したなど、一定の要件を満たすことで無申告税は課されません。
また、確定申告によって納めるべき税金のある人の場合は、無申告税のほかに、延滞税(税金の納付が遅れたことに対する利息のようなもの)が課されることもあります。期限内に申告書の作成が間に合わなかった、作成が難しいなどという場合も、放置せず、税務署に相談するなどして、必ず、自主的に確定申告するようにしましょう。
確定申告の相談は、住んでいる地域を管轄する税務署まで
確定申告は必要な書類や記載の方法など、その人の状況により具体的に注意する部分が異なってきます。
書類の準備や申請書の記載などが複雑で難しいと感じるのであれば、税務署に直接相談することができます。早めに相談し、間違いのないように確実に対応することをおすすめします。
出典:国税庁ウェブサイト 確定申告期に多いお問合せ事項Q&A
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士