更新日: 2020.02.26 確定申告
友人から「確定申告は5年さかのぼれる」って聞いたのですが本当ですか?
なんとなく他人事でこの時期をお過ごしの方でも、「実は確定申告をすることで払い過ぎた税金が返ってくるかもしれない」と聞いたら、どうでしょうか? さらに、それが期間をさかのぼって申請ができるとしたら、どうでしょうか?
今回は、確定申告と還付申告について、解説していきたいと思います。
執筆者:中村将士(なかむら まさし)
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。
確定申告って何?
確定申告とは、「所得税」と「復興特別所得税」を精算(“確定”)し、“申告”する手続きのことです。
計算の対象となる収入(所得)は、その年の1月1日から12月31日までの1年間の所得です。申告する期間も決まっており、令和元年度分は令和2年2月17日から同年3月16日までの1ヶ月間となっております。
ちなみに、税金を納める期限も設けられており、令和元年度分の場合は令和2年3月16日までとなっております。
確定申告が必要なのは誰?
確定申告を行う必要があるのは、以下のような方です。
(1)給与が2000万円を超えた方、あるいは年末調整をした給与以外に収入があって、その金額が20万円を超えた方
(2)年金を受け取っていて、源泉徴収(税金の天引き)をされていない方
(3)退職金を受け取った方
(4)その他複数の所得を受け取った方など
このような方は、期限内に申告と納付をしなければなりません。申告期限を過ぎてしまうと、「加算税」や「延滞税」が課される場合があります。
還付申告というものがあるらしい
納付した税金が、納付すべき金額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎとなっている税金の還付を受けることができます。この手続きを「還付申告」といいます。
例えば、確定申告の必要がない方が所得控除を受けようと考え所得税の計算をしたところ、税金を納めすぎていた場合、確定申告をすることによって税金の還付を受けられるというものです。還付申告は、前述の申告期間とは関係なく、還付申告をする年分の翌年1月1日から5年間行うことができます。
例えば、これまでに還付申告をしていなかった場合、平成27年分までであれば、令和2年12月31日までに申告することで還付を受けることができるのです。令和元年分については、令和2年1月1日から令和6年12月31日まで申告することができるということになります。
還付申告は、以下のような場合にできます。
(1)お給料をもらっている人は、年末調整をしていない、住宅ローンがある、災害や盗難にあった、多額の医療費を払った、特定の寄付(ふるさと納税など)をした場合
(2)年金をもらっている人は、生命保険料や地震保険料を払っている、災害や盗難にあった、多額の医療費を払った、特定の寄付(ふるさと納税など)をした場合
まとめ
還付申告は、普段確定申告になじみのない方でも、申告をすることによって最大5年間さかのぼって所得税の還付を受けられる手続きです。いつも他人事と思っていて、所得税の還付が受けられるのに申告をせずに還付を受けないのはもったいないですよね。
手続きは難しいものではありません。心配な方でも、税務署に聞けば丁寧に教えてくれます。少しでも心当たりがあるのであれば、諦めず、面倒臭がらず、一度確認してみてはいかがでしょうか?
[出典]
国税庁『令和元年分 確定申告特集 初めて確定申告される方へ』
国税庁『令和元年分 確定申告特集 申告書の提出が必要な方とは』
国税庁『令和元年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き』
国税庁『【確定申告・還付申告】』
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー