更新日: 2019.01.07 その他保険

収入保障保険と所得補償保険

執筆者 : 柴沼直美

収入保障保険と所得補償保険
収入保障保険と所得補償保険(就業保障保険)。字面だけを見ると「どこが違うの?」と思いますが、内容は全く違います。また医療保険とはどう違うのでしょうか?それぞれの役割を整理しておくと、迷ったり、知らないうちに同じ機能の保険にダブルで加入したりという無駄を省くことができます。
柴沼直美

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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所得補償は「本人」が主語

 
収入保障保険は、会社員や自営業者が死亡または高度障害になった場合に残された家族の生活費用を補う保険であるのに対して、所得補償保険は、会社員や自営業者が病気やケガで仕事ができなくなった場合の収入減を補う保険です。収入保障は主語が「家族」、所得補償は「本人」という点が違いといえます。
例えば、「自営業なので、ケガなどで就労不能となった場合に備えたい」という場合に威力を発揮するのが、「所得補償保険」です。被保険者が病気やケガで入院や通院、自宅療養を行うことで就労不能となった場合に、税込み年収の最大約60%が補償され、保険期間は1年~5年ごとに更新となり、最長60歳まで、毎月一定の金額を受け取ることができます。
保険期間中に保険金の支払いがなかった場合には、保険金の一部が戻ってくる商品もあります。医療保険は、基本「入院しなければ給付されません」が、所得補償は就労不能であれば「自宅療養」でも給付されるという点が特徴です。

収入保障保険は役割としては一般の定期保険と同じ

 
被保険者が亡くなった場合に遺族に保障するのが収入保障保険です。年収に関係なく加入可能で、基本的に掛け捨て型であるため保険料は割安です。
これだけを見ると一般の生命保険と同じように感じますが、保険金額が被保険者の死亡時期によって変わってくるところが特徴です。
 
被保険者が亡くなった時から保険適用期間終了までの間(10年~20年が多い)保険金が支払われます。ただし被保険者が亡くなった時期が保険適用期間終了間際であれば、支払われる保険金額は少なくなります。

トレンドに注意。最近はブレンド型も登場

 
保険商品は時代によって従来は別役割だった商品がブレンドされたものも発売されますのでチェックが必要です。
 
例えば最近の収入保障保険の中には、所得補償保険の機能を付加されたものもあります。公的年金の障害事由に該当した場合に給付されるようなイメージです。

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