2017.10.04暮らし

老後資金が心配なので、リバースモーゲージを考えたいが・・・

Text : 柴沼 直美

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老後の資金が心配だけれど入ってくる年金をもう増やす時間はない場合の奥の手の1つとしてリバースモーゲージがあります。モーゲージ(ローン)の反対(リバース)ということで、金融資産はない場合に、自宅を担保に一時金か年金形式で金融機関等から資金を調達し、死亡後に担保物件の自宅を売却して返済するしくみです。メリットと留意点を確認します。

メリット:自宅があれば資金が獲得

1980年代からはじまったリバースモーゲージを活用したローンは今や都市銀行でも販売されかなり普及しています。自宅があれば資金が獲得でき、生きているときは返済しなくていいというメリットがあります。最近では、自宅を賃貸した時の家賃収入を担保とするという家賃担保型もあります。自宅を担保にし、死後売却するので、推定法定相続人の相続財産が減少しますから、一般的には契約時には彼らの同意が必要となります。獲得した資金使途については、金融機関によって、生活資金自由型と何に使ってもいい限定型があります。

留意点1:要件が厳格

リバースモーゲージの対象物件は基本的に一戸建てだけで、マンションは対象外です。また土地の評価額は金融機関によって異なりますが、1,000万円以上のところがほとんどで、不動産には抵当権などが設定されていないことが求められます。年齢要件についても金融機関によって異なりますが、概ね55歳、60歳以上といったシニアが対象です。その他、配偶者又は親以外の同居人がいないこと、借入をする世帯は住民税非課税というのが一般的です。

留意点2: 金利が上昇すれば借入金額>担保物件価格

リバースモーゲージは通常変動金利が採用されているため、金利が上昇した場合、担保となる物件価格を借入残高が上回る可能性が発生します。

留意点3:不動産価格が下落評価替えにより下落

不動産価格が低下した場合、評価替えが行われ毎月受け取りタイプの場合は融資額が下落するリスクがあります。

留意点4:長生きして融資額オーバーになる

当初の想定年数よりも長生きした場合、担保掛目を越えての融資は行われないため、融資打ち切りのリスクがあります。

留意点5:結局売却のほうがよかった

自宅を手放したくないと思っていたものの、その後認知症を発症したり、夫(妻)に先立たれたりして結局施設に入所することになったときに、「やっぱり売却しておけばよかった」となるケースも起こり得ます。安易に結論を出す前に今後のライフプランを検討する必要があります。

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柴沼 直美

Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com