投資初心者の疑問 「REITってどのような金融商品なの?」
配信日: 2019.01.11 更新日: 2019.07.04
そもそもは、アメリカで誕生したと言われていますが、日本では2001年に東京証券取引所に登場。アメリカのREITと区別するため、日本版はJapanのJをつけたJ-REIT(ジェイリート)と、呼ばれることになりました。
ここでは、改めてREITの特徴やメリット、デメリットなどについて確認してみましょう。
執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
REITの特徴
REITとは、投資家から集めた資金で、マンション、オフィスビルや商業施設などの不動産を購入し、その家賃収入や売却益を、投資家に分配する金融商品のことです。
通常の投資信託の場合は、主に有価証券を対象としていますが、2000年11月に施行された「投資信託及び投資法人に関する法律」によって、不動産も運用対象とすることが可能となりました。それにより、REITの運用が開始されました。
なお、「投資信託」と名付けられてはいますが、実際の売買については投資信託とは違い、株式市場において上場株式のルールに準じて行われるため、注意が必要です。
また、REITを運用するには「投資法人」という特別な法人を設立する必要があり、この投資法人は「不動産運用以外の業務ができない」など、さまざまな法的規制があることもREITならでは特徴と言えます。
時々、現物の不動産に投資する、いわゆる「不動産投資」と、少額でも始めやすい不動産を対象とした投資の「REIT」が並列に扱われることがありますが、上記の特徴のように、両者の資産運用方法には大きな隔たりがあり、似て非なるものと言えるかもしれません。
例えば、REITには不動産投資の特長である「減価償却費」もないですし、所得の種類も不動産所得ではないため、総合課税されません。また、定期的なインカムゲインである家賃収入があるわけでもありません。
つまり、現物の不動産投資で成果をあげることと、REITでうまく運用することは、ほぼ無関係であるとも言えます。
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なぜREITが誕生したか?
REITが誕生した理由は、「不動産投資の持つデメリットを解消する狙い」があったと言われています。不動産投資には、どんなデメリットがあるのでしょうか。
まず1つ目のデメリットは、不動産投資には、ある程度まとまった運用資金が必要となる点があげられるでしょう。
例えば、アパート一棟やマンションの一室など、不動産の現物を購入して賃貸経営する場合には、ローンを活用することが通常ですが、購入の初期段階で、ある程度の自己資金を投資する必要があります。
そのため、不動産投資はだれもが、すぐに取り組めるものではなく、ある程度の資金を持った方だけの運用方法となってしまいます。
そのデメリットを受けて、REITは複数の投資家から資金を募ることで、投資家同士がいわば「共同オーナー」となり、たとえ少額の投資であっても間接的に賃料収入を得ることができる仕組みを構築しました。
さらに、より多くの投資家から資金を集めることで、個人での投資では困難な、大規模な商業施設などにも出資が可能となります。
2つ目のデメリットは、不動産投資の流動性の低さがあげられるでしょう。
もちろん、不動産も現金化することは可能ですが、そのためには当然ながら、ある程度の時間とコストがかかります。特に、急いで売却したい状況の場合には、やむを得ず価格を下げて売却するケースもあるかもしれません。
また、個人間での売買などを例外として、売却時にかかるコストについても、ある程度覚悟しなければなりません。
不動産投資において「流動性の低さ」は最大の弱点のひとつと言えるでしょう。その弱点に相反してREITは、通常の株式市場で売買される証券であるため、市場が開いていれば、基本的にいつでも売買することができます。また、売買のコストについても、それほどはかかりません。
まとめ
以前、FPとして個別に不動産投資に関する相談を受けた際に、相談者から「現物の不動産に投資するか、REITに投資するか」で迷っているとの相談がありました。私は、相談者に対して前述のとおり、同じ不動産を対象とする2つの資産運用方法の違いを説明しました。
REITは、あくまでも数ある資産運用方法の一種類です。その特徴や投資目的などを、しっかりと理解した上で投資することが重要となるでしょう。
Text:高橋 庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー