チャート上に酒田五法の「三山」が現れたら、その後のトレンドはどうなる?

配信日: 2021.05.29

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チャート上に酒田五法の「三山」が現れたら、その後のトレンドはどうなる?
前回は「酒田五法」のうち、「三山」と「三尊」の基本的な意味について見てきました。上昇トレンド後に三山や三尊が現れると、トレンド転換の可能性があるため注意が必要ということをお伝えしてきましたが、今回は、三山が現れた場合のトレンド転換について見ていきたいと思います。
重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

三山の真意について

三山のチャートパターンは次のような形状です。
 


※筆者作成
 
上昇トレンド後に、ある一定の水準で天井が存在し、天井を頂点に3つの山が形成されるというのが三山の特徴です。
 
上の図では、天井のラインを赤線で引っ張っていますが、このような上値のトレンドラインを繰り返し突破できず、もみ合い相場が続いているのが三山といえます。上の図にある青線は下値のトレンドラインですが、このライン上で下値がついているため、上値のトレンドラインと下値のトレンドラインを挟み、ボックス相場が成り立っています。
 
このため三山では、今後、上昇するか下落するか分からない状況、つまり投資家にとっては、買えばいいか売ればいいか迷っている状態といえます。特段インパクトのあるニュースなどの材料を待っている状況といえますが、トレンドの転換を示唆するポイントは、上値のトレンドラインを突破するか、下値のトレンドラインを突破するかです。
 

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三山出現後の2つのチャートパターン

まず、上値のトレンドラインを突破するケースですが、次のようなイメージが考えられます。
 


※筆者作成
 
これは上昇局面の途中で、例えば、序盤や中腹で三山が現れるケースですが、もみ合い相場において下値のトレンドラインを割り込まずに反転上昇し、上値のトレンドラインを突破してきた場合、さらに上昇トレンドが続くと予測することができます。
 
この場合、もみ合い相場が続き、エネルギーがたまっているため、天井ラインを突破した後は比較的力強い上昇に転じる可能性があります。
 
分かりやすくいうと、もみ合い相場の下、投資家はこれから上がるのか下がるのかを迷っていたため、ストレスがたまっていたところ、相場が天井ラインを突破したことで、一気にストレスが発散されるというイメージです。
 
あくまでも傾向ですが、このパターンは上昇局面の序盤や中腹といった、上昇トレンドがまだ終わっていない局面で起こりやすいパターンといえます。
 
一方、急落する可能性のあるケースは次のようなパターンです。
 

※筆者作成
 
これは三山のうち、3つ目の山での天井から反落し、その後、下値のトレンドラインを割り込むパターンです。
 
三山が現れ天井を突破できず、下値のトレンドラインでも下落が止まらなかった状況を示していますが、このようなパターンが上昇局面の終わりで出現した場合、下降トレンドへの転換が強く意識され、損切りを目的とした売り浴びせなどの行動が現れやすくなります。
 
3回連続して上値を突破できず、また、下値を割り込んでしまっているわけですから、投資家心理としては「上昇は見込めない」と、あきらめムードが広がりやすく、ここから買おうとすると大きな痛手を被りやすくなるかもしれません。
 
それまで続いてきたもみ合い相場におけるストレスが、今後は逆に下方向に発散されていくというのがこのパターンの特徴です。
 

まとめ

三山の場合、トレンドが転換するかどうかは、現在の相場が上昇局面のどこに位置するかを大局的に見極めた上で判断する必要があります。
 
結果的に上値のトレンドラインを突破した場合、三山が上昇局面の序盤か中腹で現れたことになりますし、逆に結果的に下値のトレンドラインを割り込んだ場合、三山が上昇局面の終盤で現れたことになります。
 
どちらにしろ、これらはあくまでも傾向に過ぎず、また結果論でしかあり得ませんが、このようなチャートパターンを知っているのと知らないのとでは、その後の予測に大きな違いが生まれます。
 
重要なのは相場の大局を十分眺めた上で現状分析を行い、今、どのようなチャートパターンになっているかを確認した後、その後の動きを模索することにあります。その作業を補佐してくれるのが、今回お伝えした三山といった酒田五法の1つの法則です。
 
次回は、実際のローソク足チャートを用い、三山のパターンについて実践的に見ていきたいと思います。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
 

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