チャート上で「三尊」が現れると、その後のトレンドはどうなる?

配信日: 2021.05.30

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チャート上で「三尊」が現れると、その後のトレンドはどうなる?
古くから日本にあるチャート分析の代表的な手法として「酒田五法」というものがあります。
 
ここまで酒田五法のうち、「三山」について見てきましたが、今回は三山の一形態である「三尊」が出現した場合、その後の相場展開がどのようになるか、傾向について確認していきたいと思います。
重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

三尊のおさらい

まず、三尊(さんぞん)についておさらいすると、その特徴は、上昇局面において3つの山が形成され、そのうち、2つ目の山が1つ目の山と3つ目の山よりも高くなっている点です。三尊は3つの山のうち、2つ目の山を頭、1つ目の山と3つ目の山を肩に見立て、「ヘッドアンドショルダーズ」と呼んだりもします。
 


※筆者作成
 
三尊は上昇局面の中で現れた場合の呼び名ですが、上昇トレンドの下、まず1つ目の山で上値が訪れ、次に2つ目の山が1つ目の山の上値を超え、その後、3つ目の山の上値が2つ目の山の上値を超えられずに終わるチャートパターンです。
 

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三尊出現後のトレンド転換のパターン

三尊 が現れた後のトレンド転換には、大きく分けて2つあります。
 


※筆者作成
 
1つ目は、上の図のように3つ目の山がサポートラインと呼ばれる下値支持線(青線)を割り込むパターンです。サポートラインは、1つ目の山ができた後の下値と2つ目の山ができた後の下値を結んだものですが、このラインが強い支持線となり、相場が下支えられる傾向があります。
 
これによって強力にサポートされているため、このラインを割り込んでしまうと、投資家心理としては安心感が急低下し、利益確定の売りや損切りを目的とした売りが入りやすくなります。
 
三尊は、一般的に上昇局面の終盤で見られるチャートパターンですが、上の図の場合がまさにそれで、上昇局面の終盤で三尊が現れると、これまでの上昇トレンドが下降トレンドに移行していくと受け止められやすくなります。
 
一方、三尊が上昇局面の序盤や途中で現れた場合、次の図のような展開を示す傾向があります。
 

※筆者作成
 
上の図では、3つ目の山の後につけた下値がサポートラインで止まっているのが分かります。つまり、下値支持線を下回らなかったため、不安感が払しょくされ、下落から一転、上昇していくというパターンです。
 
この上昇が、2つ目の山の上値に引かれた赤色のレジスタンスライン(上値抵抗線)を突破すると、強力な上昇トレンドへの転換が意識されるようになります。このため、上の図のような展開が起こる場合、結果として上昇局面はまだ終わっておらず、今後も続くだろうと予測されやすくなります。
 
つまり、ここで現れた三尊は上昇局面の序盤や中盤で現れた三尊ということになります。
 

まとめ

三尊は、単純に「トリプルトップ」でもありますが、さまざまなチャートパターンの中でも美しい波形パターンの1つです。このため、必ずしも頻繁に出現するとはいえませんが、これが現れると、一般的には相場のトレンドが転換しやすいとされています。
 
このようなことから、三尊がチャート上に現れたときはいつも以上に注意をして、その後の展開を予測していく必要があります。次回は実際のチャートを用い、三尊がどのように描かれているかを確認していきたいと思います。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
 

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