力強い上昇や下落を表す「三空」。三空が出現すると相場はどうなる?
配信日: 2021.07.09
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
「窓」・「空」のおさらい
以前、「窓(まど)」について言及しましたが、窓は「空(くう)」とも呼ばれ、下の図のように2つの陽線や陰線の間が開いた状態をいいます。この状態を表現する際、「窓が開く」、「空を切る」といった言い方をします。
※筆者作成
このように窓が開いたり、空を切っているような状態は上昇相場や下落相場を表しますが、とはいえ、窓が1つしか開いていない状態であるため、必ずしも強い相場とはいえません。むしろ、その後すぐに反転する可能性をはらんでいます。
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三空とは
※筆者作成
上の図の左側を見ると、陽線が連続して4回描かれていますが、それぞれの陽線の間に窓が開き、3つの窓ができています。このような相場の場合、非常に強い上昇相場が訪れていると判断されます。
一方、右側を見ると、陰線が連続して4回描かれ、それぞれの陰線の間に窓が開き、3つの窓ができています。このような相場状況は、先ほどの陽線の場合とは逆に、強い下落相場が訪れていると判断されます。
このように三空は、4回連続して描かれた陽線や陰線の間に3つの窓が開く状態を表します。左側の三空を「三空踏み上げ」、右側の三空を「三空叩き込み」といいますが、前者は非常に強い上昇、後者は非常に強い下落を示しています。
ただし、三空ができた後の相場がどうなるかを考える必要があるため、前述の三空踏み上げの場合、傾向としては、短期的に急落する可能性が高いだろうと判断されやすくなります。これは、非常に力強い上昇が4回も連続して起こったことから、そろそろ利益確定や手じまいの売りが入りやすいといった投資家心理を表しています。
このため、三空踏み上げが成り立つと、それまでの買いをいったん解消し、売りを仕掛けるといった投資判断を行ったりします。
一方、三空叩き込みの場合、三空踏み上げとは逆に4回連続して強い下落が起こったため、短期的には下げ止まるだろうと判断される傾向があります。
つまり、三空叩き込みが訪れると、一気に反転上昇する可能性が高いと投資家は考えるため、それまでの急落相場から一転して反発するだろうと予測し、売りを解消して買い戻しの動きが入りやすくなるといわれています。
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まとめ
今回見てきたように三空は、非常に強い相場が転換するサインと受け止められる傾向がありますが、実際のチャートを見ると必ずしもそうではないということが分かります。このようなことから、三空だからトレンドが転換すると短絡的に考えず、他のテクニカル指標やファンダメンタルズ分析などを行いながら総合的に判断するようにしていきましょう。
次回は、実際のチャートで三空がどのように出現しているかについて確認していきたいと思います。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)