酒田五法における「三兵」。雑兵が意気揚々としてくるとき、相場はどうなる?
配信日: 2021.07.11
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
「三兵(さんぺい)」とは
視覚的に見ると、「三兵」は次のようなローソク足の組み合わせパターンになります。
※筆者作成
左側の三兵では3つの陽線が連続して現れ、右側の三兵では3つの陰線が連続して現れています。前者を「赤三兵(あかさんぺい)」、後者を「黒三兵(くろさんぺい)」と呼びますが、赤三兵の「赤」については、陽線を描く際に赤色で記すことがあるため、このように名付けられています。
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「赤三兵」・「黒三兵」の意味
赤三兵は3つの陽線が連続して現れているため、今後、上昇相場になる可能性があり、黒三兵は3つの陰線が連続して現れているため、今後、下落相場になる可能性があると判断していきます。
しかし、これだけでは相場の判断は非常に難しいため、赤三兵・黒三兵ともに、どの位置で出てきた場合にその後は上昇相場になる、下落相場になるといった判断につなげて活用していきます。
一般的には、赤三兵が底値圏で出現すると後に続く相場は上昇基調になりやすい、黒三兵が高値圏で出現すると後に続く相場は下落基調になりやすいと捉えていきます。
この見方についてもう少し具体的にイメージしていくと、赤三兵では、例えばそれまでの相場が下落基調の流れだったとします。底値をつけて下げが止まり、その後、3つの陽線が連続して出現したことにより赤三兵となったため、この反転上昇は本物になるだろうという考え方です。
片や、黒三兵においては、それまで上昇相場が続いていたところ、高値をつけて3つの連続した陰線が出現したことにより、黒三兵ができあがったとします。これは陰線であるために急激な下落が3回続いたという意味ですが、下落が3回も続いたため、トレンドとしては上昇基調が終わり、今後、下落基調になりやすいだろうと判断します。
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まとめ
三兵、つまり、赤三兵・黒三兵については、実際のチャートではよく見かけるローソク足の組み合わせパターンです。
ただ、出現する頻度が高いため、例えば以前言及した「三尊」や「逆三尊」といったトレンド転換パターンと同様に考えるのは好ましくなく、むしろ、日々のトレードの結果として現状を確認する程度にとどめておいた方が無難といえるかもしれません。
三兵とは、雑兵が血気盛んな様を表していることにすぎないため、その士気はいつでも変わるぐらいに捉えておくようにしましょう。次回は、三兵が実際のチャートでどのように現れているかについて確認していきたいと思います。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)