戌年の相場は良好?注目の「ESG投資」ってどんなもの?
配信日: 2018.01.30 更新日: 2019.01.11
そのような中、最近注目されているのがESG投資です。これまでもROEやPERなど頭文字3つの用語はいろいろありましたが、ESGとはなんなのか考えたいと思います。
Text:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
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ESGが注目される理由
2017年1月4日、日経平均株価は19,298円で始まりました。アベノミクス以降、株価は上昇していますが、この1年も堅調に推移し、これからの1年にも期待が高まります。
一方この1年、経済界の大きなトピックスの中には、ネガティブな話題もありました。東芝は不正会計問題で世間を驚かせました。また、日産や神戸製鋼、三菱マテリアルといった、これまで信用力があるとされていた企業でも不祥事がありました。
ここ数年間で、企業の社会的責任(CSR)が浸透しました。これは本業以外に社会貢献活動に積極的に取り組む、環境対策を講じているといったことで推進されてきました。休日に会社単位で、社員が公園の清掃活動をする例があります。
ESG投資のESGとは、E:Environment(環境)、S:Social(社会)、G:Governance (統治)、の頭文字をとったものです。
企業が環境対策や社会問題への取り組み、企業統治といったことをどれだけ重視しているかを、投資の判断にする手法です。先行するCSRを拡大させ、経営全般を測ろうという意味合いがあります。ただこれまでのROEなどは、決算等の数字で計算できるものでしたが、ESGは簡単に比較するのは難しいです。
三菱商事は、ESGに関する取り組みを17項目にまとめたデータ集を12月22日に公開しました。「環境」では気候変動や水質源など、「社会」では労働慣行や顧客への責任など、「企業統治」ではコンプライアンスやリスクマネジメントなどが掲載されています。その中で各項目について、方針や目標を挙げ、実行するロードマップを記載しています。
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ESG投資の先導役としてGPIFの存在
企業がESGに関する報告書を開示することは、経営の透明性をアピールするだけでなく、不祥事の防止にもつながります。もちろん投資家にとっては、ESGの報告書の内容が充実すると、投資判断がしやすくなります。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2017年7月に国内株式のESG投資を1兆円規模で開始しています。
この流れを受けて、大和投資信託は9月にESGインデックスに連動したETF(上場投資信託)を3本東証に上場させた例があります。今年もESG投資はキーワードになると考えられます。財務諸表に表れない企業の成長力から目が離せない年になりそうです。
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士