更新日: 2021.08.14 その他資産運用
酒田五法の三法。「上げ三法」・「下げ三法」を日経平均株価指数で確認!
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
日経平均株価指数で上げ三法を確認する
下のチャートは、2003年12月1日から2004年4月30日における日経平均株価指数の推移です。上げ三法における揉み合い相場として、チャート上に赤色のライン(上値抵抗線)と青色のライン(下値支持線)を描きました。
上げ三法が成立するためには、続いてきた上昇基調における最初の高値を調整局面が終わった後で突破してくることが必要ですが、チャートを見てみると、調整局面が終わった後、赤色のラインである上値抵抗線を突破していることが分かります。
こういった場合に売買判断を下すのが上げ三法の特徴ですが、ここでは買いを入れるという判断となります。
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日経平均株価指数で下げ三法を確認する
一方、下げ三法では、上げ三法とは逆に調整局面の後、下値支持線を割り込むと、下げ三法が成立します。
下のチャートは2008年1月4日~2008年10月31日における日経平均株価指数の推移を表していますが、揉み合い相場の結果、引かれた青色の下値支持線を割り込み、その後、大きく下落しているのが分かります。
この下落をもって下げ三法が成立し、ここが売買判断としては損切りを目的とした売りを入れるタイミングであったといえます。とはいえ、売買判断を下すタイミングはこれだけでは非常に難しいため、下げ三法だけで判断するのは必ずしも好ましいとはいえないのが現実です。
まとめ
酒田五法における「三法」は、出現頻度が比較的高いパターンですが、揉み合いのレンジ相場を抜けた後や割り込んだ後が売買判断を下すタイミングとされています。
このため、揉み合い相場が現れたことを確認し、その後、上に行くか、下に行くかを見極める必要がありますが、実際のトレードではその判断が難しいため、他のテクニカル分析やファンダメンタルズ分析も含め、総合的に判断していくことを心掛けましょう。
次回は、投資初心者向けにあまり相場用語を使わず、揉み合い相場の脱却パターンについてチャートイメージを見ていきたいと思います。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)