更新日: 2021.09.08 株・株式・FX投資

典型的な三角持ち合いの未完成は、上昇相場に終わりを告げる

執筆者 : 重定賢治

典型的な三角持ち合いの未完成は、上昇相場に終わりを告げる
典型的な三角持ち合いが相場で現れた場合、上値抵抗線(レジスタンスライン)を突破すると、その後の相場は上昇軌道を描いていく傾向があると以前お伝えしました。しかし、必ずしもそうとはならない場合があります。
 
今回は、この点に着目し、典型的な三角持ち合い出現後の失敗パターンが、相場のどの波で現れやすいかについて見ていきたいと思います。

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重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

エリオット波動理論におけるチャート波形の捉え方

今回も、まず初めに「エリオット波動理論」における波形取りについて確認することから始めます。エリオット波動理論では、相場の波は、I・II・III・IV・Vの一連の波から構成される「衝撃波」と、A・B・Cの一連の波から構成される「修正波」の2つの大きな波でできていると考えます。
 
〇エリオット波動理論におけるチャート波形の基本的な考え方
 

※筆者作成
 

典型的な三角持ち合いが完成しない場合のチャートイメージ

これまでのおさらいですが、典型的な三角持ち合いパターンのイメージは下図のとおりです。上昇相場がいったん天井を着け、その後、三角形を描きながらもみ合い、最終的に上値抵抗線(レジスタンスライン)を突破すると典型的な三角持ち合いが完成したと見ます。
 

※筆者作成
 
しかし、時として、この典型的な三角持ち合いパターンが完成しないことがあります。それを示すのが下の図です。
 

※筆者作成
 
上昇相場がいったん天井を着け、もみ合い相場になるところまでは、典型的な三角持ち合いパターンが完成する場合と同じです。違いは、もみ合い相場において赤色の上値抵抗線(レジスタンスライン)を突破しきれずに腰折れし、青色の下値支持線(サポートライン)を割り込んでしまう点です。
 
これは、投資家心理としては、長く続いたもみ合い相場の中で、最終的に売りたいという不安が勝ったことを示しています。典型的な三角持ち合いが結果的に失敗する場合、その後の相場展開は強い下降トレンドを描いていくことになるため、このパターンがチャート上で現れる場面は上昇相場の「天井」ということができるでしょう。
 

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典型的な三角持ち合いの失敗は、一連の波のうち、どこで現れるのか

これをエリオット波動理論でいうところの波形取りに照らし合わせてみると、下の図にある赤い丸で囲んだ位置と捉えることができます。
 

※筆者作成
 
典型的な三角持ち合いが失敗するということは、それまで続いてきた上昇相場が終わりを迎えることを意味しています。このため、一連の波の中でこれが現れるのは、衝撃波のうち第V波、つまり、上昇相場の天井ということになります。
 
そして、その後は力強い下落が続き、マーケットではどの水準まで下がるかを模索する展開に変わっていきます。
 

まとめ

今回お伝えした典型的な三角持ち合いが失敗するケースは、以前に言及した酒田五法における「三山」と似たような考え方です。
 
酒田五法の三山も上昇相場の天井で出現するため、それまで続いてきた上昇トレンドが転換し、以降は下降トレンドを描くだろうといったトレンド転換のサインとして投資家の間で広く知られています。
 
次回は、典型的な三角持ち合いの逆パターンが失敗する場面が、相場のどの波で現れるかについて見ていきたいと思います。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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