更新日: 2021.09.26 NISA
40歳でNISAやiDeCoを始めたらどれくらい節税できる?
今回は40歳でNISAやiDeCoを始めた場合、どれくらい節税できるのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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NISAとiDeCoの節税ポイント
NISAとiDeCoはどちらも節税効果が期待できますが、非課税対象の範囲が異なります。
NISAで非課税とされるのは投資で得られた配当金、分配金、譲渡益などの運用益のみです。対して、iDeCoは掛け金の全額が所得控除の対象となるほか、運用益が非課税となり、受給時は退職所得控除または公的年金等控除の対象となります。両者の節税効果について詳しく見ていきましょう。
NISAで非課税になるのは運用益のみ
NISAは少額投資を行うための非課税制度です。株式や投資信託などへの投資によって得られた配当金、分配金、譲渡益が非課税となります。
通常、配当金や分配金、譲渡益など運用益には20.315%の税金がかかります。つまり、投資によって10万円の利益があると2万315円の税金が差し引かれ、手元に残るのは7万9685円です。しかし、NISA口座で運用していた場合は、10万円の利益がそのまま手元に残ります。
iDeCoは3つの税制優遇がある
iDeCoには、以下の3つの税制優遇があります。
●掛け金が全額所得控除
●運用益が非課税
●受給時に退職所得控除または公的年金等控除の対象になる
掛け金が全額所得控除の対象となるため、所得税と住民税の負担が軽減されます。また、投資信託などの金融商品で運用した場合、通常であれば運用益には税金がかかりますが、iDeCo ならNISAと同じく非課税です。
受給は原則60歳になってからで、一時金または年金方式、もしくは両方を組み合わせた形で受け取ります。その際、一時金として受け取るのであれば退職所得控除、年金方式であれば公的年金等控除の対象です。
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40歳でNISAを始めた場合の節税シミュレーション
ここでは、40歳でNISAを始めた場合の節税シミュレーションをご紹介します。NISAには、一般NISAとつみたてNISAがあります。この2つは併用できず、NISAを始める場合はどちらか一方に決めてから投資を開始してください。
一般NISAは投資先が多く、好きなタイミングで売買できます。つみたてNISAは長期分散投資のための制度なので、投資初心者におすすめです。
一般NISA
一般NISAの年間投資額の上限は120万円です。最長5年間、運用益が非課税となり、最大600万円の非課税枠があります。
どれくらいの利益を得られるかは運用次第ですが、今回は配当金を期待して国内株式を買い付けた場合を想定し、節税額を試算します。
投資先:1株500円の銘柄を2400株(120万円分)
配当:毎年1回10円
上記の場合、毎年2400株×10円=2万4000円の配当金を受け取れます。5年間投資すると、配当金は2万4000円×5年間=12万円です。
NISA制度を利用せずに投資した場合、以下の税金がかかります。
12万円×20.315%=2万4378円
NISA口座なら12万円をそのまま受け取れるため、2万4378円の節税が可能です。
つみたてNISA
つみたてNISAの年間投資額の上限は40万円です。投資期間は最長20年間で、最大800万円投資できます。
毎月の積立額:3万3333円
想定利回り(年率):3%
投資期間:20年
元本:約800万円
運用益:約294万3000円
最終積立額:約1094万3000円
つみたてNISAを利用しなかった場合は、運用益の約294万3000円に以下のとおり税金がかかります。
約294万3000円×20.315%=約59万7870円
20年間で約59万7870円節税できます。
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40歳でiDeCoを始めた場合の節税シミュレーション
40歳でiDeCo を始めた場合の節税額を計算します。掛け金、運用益でどれくらい節税できるか見てみましょう。
職業:年収400万円の会社員
掛け金:毎月2万3000円(年額27万6000円)
加入期間:20年(40歳から)
1年間の所得税軽減額:1万3800円
1年間の住民税軽減額:2万7600円
合計:4万1400円
20年間の所得税軽減額:27万6000円
20年間の住民税軽減額:55万2000円
合計:82万8000円
1年間で4万1400円、20年間では82万8000円税金が軽減されます。
想定利回り(年率):3%
元本:552万円
運用益:約203万1000円
最終積立額:約755万1000円
iDeCoを利用しなかった場合は、運用益の約203万1000円に以下のとおり税金がかかります。
約203万1000円×20.315%=約41万2597円
20年間の節税額は約41万2597円です。
iDeCoは運用益だけではなく掛け金の全額も非課税対象となるため、節税効果を狙うならiDeCoがお得です。
節税効果が高いのはiDeCo
NISAで非課税となるのは運用益のみです。一方、iDeCoは掛け金の全額と運用益が非課税となり、受給時は退職所得控除または公的年金等控除となります。よって、節税効果が高いのはiDeCoです。どちらも40歳から始めても十分な節税効果が期待できます。
ただし、iDeCoは60歳まで換金できず、60歳より前に資金が必要ならNISAがよいでしょう。NISAとiDeCoは併用可能なため、資金にゆとりがあるのなら両方を始めるのもおすすめです。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員