下落相場の踊り場で現れる、左下が直角になる三角持ち合いパターンとは?
配信日: 2021.09.30
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
左下が直角になる三角持ち合いのパターンのおさらい
左下が直角になる三角持ち合いパターンは下図のようになります。
この波形は基本的に、それまでの下落相場が1回、2回、3回と下値をつけながら横に直角三角形を描いていくパターンですが、特徴としては、下値の支持線(サポートライン)が右に延び、その過程で引かれる上値のトレンドラインが右肩下がりとなり、最終的に上値のトレンドラインを抜けることができず、下値支持線を割り込んでしまう点です。
※筆者作成
簡単にいうと、下落相場からもみ合い相場を経験した後、再び下落していくパターンです。
下落相場からいったん下値をつけ、その後、しばらくもみ合っているため、もうそろそろ反転上昇するだろうと期待していたところ、上値のトレンドラインを抜けられずに下値支持線を下回ってしまったがために、慌てふためくといった投資家心理が深層にあります。
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左下が直角になる三角持ち合いパターンの失敗
左下が直角になる三角持ち合いパターンは下降局面の一服の中で起こるため、波形のどの位置で現れやすいかというと次のような波です。
※筆者作成
チャート分析で用いられる理論の1つに「エリオット波動理論」というものがありますが、これによると、相場の波は第I波、第II波、第III波、第IV波、第V波の5つの波で構成されている「衝撃波」と、A波、B 波、C波の3つの波で構成されている「修正波」といった2つの大きな波でできているとされています。
簡単にいうと、衝撃波と呼ばれる上昇の波と、修正波と呼ばれる下落の波との組み合わせで相場が動いているという考え方です。
これに照らし合わせて考えた場合、左下が直角になる三角持ち合いパターンは、それまで続いてきた下落相場がいったんもみ合い、その後、再び下落していくわけですから、このパターンが現れる位置は上図の赤い丸で囲んだ地点になると考えられるでしょう。
つまり、エリオット波動理論でいうところの修正B波で現れる波形といえます。
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まとめ
修正B波は、エリオット波動理論では「騙し(だまし)のB波」といわれる波ですが、それまで下げ続けていた下落相場がいったん落ち着き、さも、これから上がっていくだろうという投資家の期待を裏切る波形ステージとなります。そのため、最低でもここで損切りしなければ、その後は損失がさらに拡大してしまう可能性があり、注意が必要です。
つまり、下落相場の踊り場に位置するのがこの波であるため、その後の相場展開について熟慮を重ねた方が良いということができます。
次回は、左下が直角になる三角持ち合いが成立せず、好転していくケースについて見ていきたいと思います。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)