更新日: 2021.10.03 株・株式・FX投資
上昇相場の途中で現れる、左下が直角になる三角持ち合いの不成立とは。
しかし、左下が直角になる三角持ち合いパターンが 常に必ず成立するというわけではありません。今回は、このパターンが成立しないケースについて見ていきたいと思います。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
左下が直角になる三角持ち合いのパターンのおさらい
左下が直角になる三角持ち合いパターンは下図のとおりですが、特徴としては、(1)それまで続いていた下落相場がいったん落ち着き、(2)複数回、下値をつけながら もみ合い相場となり、(3)その後、上値のトレンドラインを突破できず、反転下落し、下値支持線(サポートライン)を割り込んでしまう点です。
※筆者作成
つまり、下落相場 ⇒ 揉み合い相場 ⇒ 下落相場といった流れの途中で現れるのが、この波形パターンの特徴といえます。
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左下が直角になる三角持ち合いが成立しないケース
しかし、このパターンが常に必ず成立するわけではなく、下落相場 ⇒もみ合い相場 ⇒ 上昇相場と転じていくことがあります。この流れを表しているのが下の図です。
※筆者作成
それまで続いてきた下落相場がいったん下げ止まり、そこから2回、3回と下値をつけながら直角三角形が右に延びていくのが分かります。
この局面がいわゆる三角持ち合いというもみ合い相場ですが、最終的に下値支持線で踏ん張り、その後、反転上昇し、上値のトレンドラインを突破していくという流れになります。
左下が直角になる三角持ち合いパターンでは、通常、最終的に下値支持線を下回り、再び下落相場に入っていきますが、それとは逆に、不成立になるケースでは最後の局面で反転上昇したまま、さらに大きく値を踏み上げていくのが特徴です。
投資家心理としては、それまで続いてきた下落相場が下値で踏ん張り続けているため、必ずしも弱気になっているわけではありません。
むしろ、踏ん張ってきたことに自信を持ち、その後、上値のトレンドラインを突破したことで一気に強気に振れたことを表しています。
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左下が直角になる三角持ち合いの不成立は、どの波で現れやすいか
それでは、この波形パターンが現れやすい場面は、波のどの位置といえるでしょうか。
※筆者作成
上図の赤い丸で囲んだ箇所がその位置ですが、エリオット波動理論でいうところの「第II波」と「第IV波」に当たります。
第II波と第IV波は、いずれも第I波と第III波の調整ですが、調整が入って相場の下落がいったん落ち着き、その後、力強く上昇に転じる場面で現れやすいといえるでしょう。
まとめ
このように、左下が直角になる三角持ち合いパターンが不成立で終わる場合、その後の展開は好転していきます。好転していくわけですから、力強い上昇が期待されるため、この三角持ち合いでは積極的な買い戻しが入りやすい展開になるといえます。
左下が直角になる三角持ち合いパターンが不成立になるケースでは、下値支持線を下回らないことがポイントになるため、この点をよく観察し、投資判断を下していくことが求められます。
これまで三角持ち合いについて、右側に三角形が閉じていくパターンについて言及してきましたが、次回からは、これとは逆に、三角形がワニの口のように拡大していくパターンについて見ていきたいと思います。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)