更新日: 2021.10.23 その他資産運用
投資初心者にも向いているETFとは?
そんなETFとはどんな金融商品なのかを分かりやすく説明します。
執筆者:村川賢(むらかわ まさる)
一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)
早稲田大学大学院を卒業して精密機器メーカーに勤務。50歳を過ぎて勤務先のセカンドライフ研修を受講。これをきっかけにお金の知識が身についてない自分に気付き、在職中にファイナンシャルプランナーの資格を取得。30年間勤務した会社を早期退職してFPとして独立。「お金の知識が重要であることを多くの人に伝え、お金で損をしない少しでも得する知識を広めよう」という使命感から、実務家のファイナンシャルプランナーとして活動中。現在は年間数十件を越す大手企業の労働組合員向けセミナー、およびライフプランを中心とした個別相談で多くのクライアントに貢献している。
ETFとはどんな金融商品?
ETFとはExchange Traded Fundsの略で、上場投資信託と言います。名前の通り、証券取引所に上場している投資信託です。上場していない一般の投資信託の場合は、証券取引所の取引時間が終了した後で1日1回だけ価格が変わります。
なので、売買を申し込んだ時点では正確な売買価格が分かりません。それに対してETFは、投資信託でありながら、取引時間中であれば証券取引所で注文した価格で売買ができます。
また、買値や売値を指定する「指値注文」、価格より買いや売りを優先する「成行注文」も可能です。東京証券取引所には200本余り(令和3年10月現在)のETFが上場していますが、米国ではその10倍近い数のETFが上場しています。
なお、上場していない一般の投資信託にはインデックスファンド(指数に連動するように構成されたファンド)とアクティブファンド(投資目的に沿って構成されたファンド)の2種類がありますが、東京証券所で上場しているETFはインデックスファンドだけです。
上場していない一般の投資信託は銀行などの金融機関でも売買することができますが、ETFは証券会社でしか売買ができません。
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ETFにはどんな種類があるの?
ETFには、国内や海外の株価・債権・金や原油等の商品・REITなどいろいろな価格指数に連動するものがあり、多くの種類があります。投資初心者にお勧めなのは、日本や米国株価の代表的な指数に連動するように構成されたETFです。
例えば、日経225(日経平均株価指数)やTOPIX(東証株価指数)に連動するもの、米国株のS&P500平均株価指数やダウ工業株30種平均株価指数に連動するものなどです。これらは、連動する指数が公表されていて、分かりやすいのが特徴です。
投資初心者にもお勧めなわけとは?
●例えばTOPIXに連動するETFであれば、東証第一部に上場している株式全銘柄に分散投資しているのとほぼ等価であり、個別株に投資するのに比べリスク分散になります。
●買値や売値の値動きが分かりやすく、自分で指定した価格で売買ができます。
●個別株に比べ購入できる単価が低く、数千円~数万円からの投資が可能です。
●一般的に信託報酬率が低く、長期保有に向いています。
注意する点は
●上場廃止してしまう銘柄や流動性が低い(売買が成立しづらい)銘柄もあるので、なるべく純資産総額の大きいものや出来高の多いものを選びましょう。
●分配金は自動的には再投資されません。複利効果を狙うには手動での買い付けが必要です。
●つみたてNISAのように定期的に定額で積み立てることはできません。ただし、毎月定額で買い続ける株式累積投資(るいとう)としてETFを扱っている証券会社はあります。また、米国ETFを定期的に積み立てることができるネット証券会社もあります。
●レバレッジ型(指数の価格変動に2倍程度の倍率をかけた動きをするもの)やインバース型(指数の価格変動と逆の動きをするもの)などがありますが、値動きが激しく投資初心者向きではありませんので避けた方が良いと思います。
終わりに
日銀を始めとして、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)やその他機関投資家が大量にETFを購入しているなど、ETFの売買は一般投資家向けではないように思われがちですが、投資初心者でも証券会社を通して容易に売買が可能なものです。
ETFは、一般の投資信託と同様に分散投資が可能で、株式と同様に証券所の取引時間中ならリアルタイムで売買できるなど、投資信託と株式の両方の特徴を兼ね備えた、優れた金融商品だと筆者は考えます。購入単価が低いものも多くあります。
あなたもETF投資による資産運用を考えてみませんか。
執筆者:村川賢
一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)