更新日: 2021.12.13 株・株式・FX投資
エリオット波動理論の下での上昇局面における波の取り方とルール。
今回は、エリオット波動理論の中で言及されている、「衝撃波」における一定のルールについて確認していきたいと思います。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
エリオット波動理論における波の取り方
まずおさらいとして、エリオット波動理論における波の取り方を確認しておきます。下の図がそれですが、点線を軸に左側の5つの波を「衝撃波」、右側の3つの波を「修正波」と呼びます。
今回のテーマは「衝撃波」についてですので、左側の5つの波をイメージしながら話を進めていきたいと思います。
※筆者作成
エリオット波動理論においては、5つの波からできている衝撃波は、原則、上昇波動と捉えます。3つの修正波のうち、A波とC波において5波動を形成するケースでは1段階レベルの低い波で衝撃波が成立しますが、この場合、1段階レベルの高い修正波の中にA波・C波が存在するため、このときに発生している衝撃波は下落波動と考えます。
細かい話をすると余計に難しくなるため、衝撃波は原則、上昇波動であるという前提の下で説明していきます。
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衝撃5波の特徴とルール
衝撃波は5つの波で構成されていますが、先ほどの図にあるように、それぞれの波には「第I波」・「第II波」・「第III波」・「第IV波」・「第V波」といった表記がされています。この波には、それぞれ特徴や計測上のルールがあり、それらをもって衝撃波の構成要素と定義づけられています。
○第I波・第III波・第V波は「上昇波」である
○第II波・第IV波は「調整波(下落波)」である
○第III波は、第I波・第V波と比べ最も短い波にはならない
○第IV波の終点は第I波の終点を下回らない
○第II波が単純な波の場合、第IV波は複雑なパターンの波になる
○第V波は延長(エクステンション)することがある
主だった特徴とルールを挙げましたが、例外も存在するため、投資初心者は基本的なことを押さえる程度にしておきましょう。
原理原則、衝撃波は5つの波で構成されているわけですが、5つの波のうち、第I波・第III波・第V波がいわゆる上昇波、第II波・第IV波がいわゆる調整波(下落波)という点が波動の理解において最も重要であるため、この点だけ理解しておくだけでも十分かもしれません。
別の表現をすると、第I波で上昇した後、第II波でその戻りとしての調整が生まれ、第III波で再び上昇した後、第IV波で調整が起こり、最後は第V波の上昇で一連の上昇局面が終わりを迎えるという考え方です。
このような波形取りが成立するためのルールが、例外も含めていくつかあるというのがエリオット波動理論の難しいところであり、面白いところともいえます。
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まとめ
エリオット波動理論では、上昇波動である衝撃5波が終わると、下落波動である修正3波によって調整されるというのが基本的な考え方です。
より低いレベルの波で考えた場合、衝撃5波のうち、第II波と第IV波が調整局面に当たることから、実際のチャートでは衝撃の3波、つまり、第I波・第III波・第V波において、それぞれの終点(天井)を探りながら調整に備えるといった、先を見越した対応を図ることができる可能性が広がります。
ただし、必ずしもエリオット波動理論だけでチャート分析を行うのが適切とは言い切れないため、あくまでも他のテクニカルツールも併用し、複合的に相場の地合いを探っていくようにしましょう。
次回は、実際のチャートで「衝撃波」がどのようなイメージで成立しているかを確認していきたいと思います。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)