更新日: 2022.01.12 株・株式・FX投資

【FP相談】米国株式に興味があります。注意することはありますか?

【FP相談】米国株式に興味があります。注意することはありますか?
NISAやiDeCoで投資を始めた人は増加傾向にあります。その中で米国株式に関する初心者向けの関連書籍も書店で見かけるようになりました。注目される理由と注意点などを整理しました。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

米国株が人気の理由

「日本は世界全体に比べ経済成長が鈍化している」という意見があります。「他の先進国より給料が伸び悩み、デフレ脱却が遅れている」「新しい産業構造への転換が遅れている」等々議論されていますが、少子化だけが原因ではなさそうです。
 
わが国と対照的に、相変わらず世界経済をけん引しているのは米国です。人口増加により労働力を確保し、一方で消費も生み出しています。また、新たなサービスや価値を生み出す新興産業が、次々登場しています。
 
GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)と呼ばれる5社は米国の時価総額ランキングで上位を占めていますが、うち3社は創業30年未満の会社です。“米国経済は上昇が期待できる”と判断され、投資対象として有望視されるのもうなずけます。
 
【図表1】


 
図表1は日米の株価推移の比較です。30年を振り返ると米国株が10倍以上に成長していることが分かります。
 
もちろん、途中でジグザグ上下しながらの結果ですが、つみたてNISA口座などを使って長期積立投資をするのなら、今後も成長が期待される米国株に投資することを推奨する専門家もいらっしゃいます。
 

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S&P500って何?

米国株に投資する手法として、ETF(上場投資信託)や投資信託を利用する方法があります。日本株に投資する場合と同様で、分散投資ができるのでお勧めの方法です。主なインデックス指標について整理してみます。
 

【日本】

・TOPIX
東証1部上場している全銘柄を対象に時価総額から算出した株価指数
 
・日経平均株価
日経新聞社が選ぶ225銘柄の株価平均指数
 

【米国】

・ダウ平均株価
ニューヨーク証券取引所、またはナスダック市場に上場している米国を代表する30の優良銘柄で構成される株価の平均指数
 
・S&P500
ニューヨーク証券取引所、またはナスダック市場に上場している全主要業種を代表する500銘柄で構成される時価総額の加重平均指数
 
・ナスダック総合指数
ナスダック市場に上場する全銘柄で構成される時価総額加重平均指数
 
算出方法が違うことで、株価基準の場合は株価の高い銘柄の影響を受けやすく、時価総額基準の場合は時価総額の高い銘柄の影響を受けやすい点は留意が必要です。
 
S&P500は、長期的に実績のある大企業(VISAやジョンソン・エンド・ジョンソンなど)だけでなく、新興企業やテクノロジー企業(AppleやAmazonなど)が含まれています。
 
比較的安心して投資できる銘柄と成長が期待できる銘柄の双方に投資できる、というメリットがあります。米国株に投資をする場合の指標として人気があり、有力視されている理由です。
 

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リスクを知ってまずは少額から

投資信託だけでなく米国の個別株式に直接投資したい。例えばApple社の製品の愛好家で、「ぜひとも応援したい」と考える場合もあると思います。米国株は1株から購入が可能なので始めやすいともいえますが、いくつか注意点があります。
 
まず時差がありますので、取引時間に注意が必要です。朝起きたら急落していて、売買のタイミングを逸したというようなリスクがあります。日本のようにストップ安・ストップ高という値幅制限がないので、1日にして急落もあります。
 
また、為替リスクにも配慮が必要です。良いタイミングで購入し、値上がりしたので売却してドルベースで利益が出たとしても、為替によっては損も生じます。株価の値動きだけでなく、為替レートの変動も併せてタイミングをはかる必要があります。
 
当該企業や取り巻く環境についての情報・実際に取引する証券会社の情報などを、事前にしっかりリサーチしておくことも大切です。
 
執筆時点(2021年11月末時点)では、インフレ傾向になりつつあります。以前、現金ではなく不動産や株式で資産を持つことでインフレに対抗しようという動きがありました。それが高じてバブル景気に突入し、その後崩壊しました。
 
インフレに備えて資産をどうするのか、お金の置き場所を真剣に考える時が来ています。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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