更新日: 2022.03.01 株・株式・FX投資

日経平均株価指数でみる、「ゴールデンクロス」、「デッドクロス」とは

執筆者 : 重定賢治

日経平均株価指数でみる、「ゴールデンクロス」、「デッドクロス」とは
前回は、実際の日経平均株価指数のチャートを活用し、50日と200日の2つの単純移動平均線(SMA:Simple Moving Average)から、日経平均株価指数がどのような循環軌道(トレンド)を示しているのかについて簡単にみてきました。
 
今回は、その見方を補強することを目的に、「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」という、単純移動平均線における基本的な考え方について説明していきたいと思います。

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重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

ゴールデンクロス、デッドクロスとは

前回同様、チャートは日経平均株価指数(日足)です。期間としてはおおむね、アベノミクス相場が始まった辺りから2022年2月16日までです。
 
黒色の線が日経平均株価指数、紫色の線が50日単純移動平均線、紺色の線が200日単純移動平均線となっています。
 
【図表1 日経平均株価指数(日足)】

出典:TradingView Inc. 「TradingView」
 
図表1のチャートの2012年末、2016年末、2020年中旬辺りでは、日経平均株価指数が50日単純移動平均線を「下」から上回ろうとし、日経平均株価指数と50日単純移動平均線が交差していることが分かります。この交差地点を「ゴールデンクロス」といいます。
 
これとは逆に、チャートの2015年中旬、2020年、2021年前半辺りにある、日経平均株価指数と50日単純移動平均線の交差地点を「デッドクロス」といいますが、ここでは日経平均株価指数が50日単純移動平均線を「上」から下回ろうとしていることが分かります。
 
まとめると、株価が移動平均線を下から上回ろうとする際に現れる交差地点がゴールデンクロス、移動平均線を上から下回ろうとする際に現れる交差地点がデッドクロスです。
 
意味合いとしては、ゴールデンクロスの場合、株価が循環軌道(トレンド)である移動平均線を下から上回ろうとしているわけですから、株価がゴールデンクロスを通過した後は、上昇トレンドを描きやすくなると考えます。
 
一方、デッドクロスの場合、ゴールデンクロスとは逆に株価が循環軌道(トレンド)である移動平均線を上から下回ろうとしているため、株価がデッドクロスを通過した後は、下降トレンドを描きやすくなると考えられます。
 

移動平均線同士のゴールデンクロスとデッドクロス

前述したゴールデンクロスとデッドクロスの考え方は、必ずしも株価と移動平均線の間だけで成立するものではなく、ある移動平均線とある移動平均線といったように、移動平均線同士でも同じ考え方を適用することができます。
 
もう一度、前述のチャートをみてみましょう。
 
【図表2 日経平均株価指数(日足)】

出典:TradingView Inc. 「TradingView」
 
2012年末辺りにあるゴールデンクロスですが、50日単純移動平均線が200日単純移動平均線を下から上回り、抜けていったことが分かります。
 
ここでは、50日単純移動平均線と200日単純移動平均線との間にゴールデンクロスが現れています。
 
これが意味するところは、中期の移動平均線が長期の移動平均線を上回ったということなので、中期的な循環軌道(トレンド)が上昇に転じたというシグナルになります。
 
一方、2021年前半辺りの地点では、50日単純移動平均線が200日単純移動平均線を上から下回り、デッドクロスが現れました。
 
これは、中期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜けていったので、見方としては、中期的な循環軌道(トレンド)が下降に転じていったと解釈します。
 

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まとめ

このようにチャート面では、日経平均株価指数、50日単純移動平均線、200日単純移動平均線の3種類の線を見比べながら、日経平均株価指数の循環軌道(トレンド)がどのような傾向にあるかを確認することになります。
 
前回の記事では、日経平均株価指数が単純移動平均線の上にあるか、下にあるかで循環軌道(トレンド)の傾向を確認しましたが、その考え方の補強として、今回はゴールデンクロス、デッドクロスといった相場の転換点を確認した上での傾向のつかみ方をお伝えしました。
 
次回は、ゴールデンクロスとデッドクロスも含め、コロナショック後の循環軌道(トレンド)について再確認していきたいと思います。
 
出典
TradingView Inc. TradingView
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)