【相談事例】投資が怖いという50代女性へのメッセージ
配信日: 2022.03.23
同世代の筆者としては、その感覚もよくわかります。ある日、とある相談者さまより「先生は勉強を重ねたから怖さを克服したかもしれないけど、私にはわからない」と言われてハっとしました。
そこで筆者は、FPの資格を取得しその怖さを乗り越えられた背景の情報をお話させていただきました。
今回は、筆者自身の体験やこれまでの相談事例、歴史的推察なども踏まえ、上記のご相談時の状況をお話しさせていただきます。
執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)
ファイナンシャルプランナー、相続診断士
公的保険アドバイザー/確定拠出年金相談ねっと認定FP
岡野あつこ師事®上級プロ夫婦問題カウンセラー
大手流通業界系のファッションビジネスを12年経験。ビジネスの面白さを体感するが、結婚を機に退職。その後夫の仕事(整体)で、主にマネージメント・経営等、裏方を担当。マスコミでも話題となり、忙しい日々過ごす。しかし、20年後に離婚。長い間従事した「からだ系ビジネス」では資格を有しておらず『資格の大切さ』を実感し『人生のやり直し』を決意。自らの経験を活かした夫婦問題カウンセラーの資格を目指す中「離婚後の女性が自立する難しさ」を目のあたりにする。また自らの財産分与の運用の未熟さの反省もあり研究する中に、FPの仕事と出会う。『からだと心とお金』の幸せは三つ巴。からだと心の癒しや健康法は巷に情報が充実し身近なのに、なぜお金や資産の事はこんなに解りづらいのだろう?特に女性には敷居が高い現実。「もっとやさしく、わかりやすくお金や資産の提案がしたい」という想いから、FPの資格を取得。第二の成人式、40歳を迎えたことを機に女性が資産運用について学び直す提案業務を行っている。
※確定拠出年金相談ねっと https://wiselife.biz/fp/mterakado/
女性のための電話相談『ボイスマルシェ』 https://www.voicemarche.jp/advisers/781
なぜ、投資への怖さが抜けないのか?
お金の相談をする相手として、配偶者・パートナーや両親などが挙げられると思います。また、親から子どもに、お金の管理や運用についてアドバイスをする方もいるでしょう。そういった方のなかに「投資だけは絶対にしてはいけない」とおっしゃる方がいます。
筆者はその背景には「バブル時代」にあるように推察します。バブルの崩壊は平成3(1991)年~5(1993)年、その頃のマスコミは、投資で失敗した方々に不幸があったなどの暗いニュースを報じることがありました。その“後遺症”からなのか、筆者はFPになる前は「〇〇ファンド」と聞くだけで不審に思ったものです。
筆者の相談者さまの場合、筆者と同じような印象が50代以上の方の潜在意識の中にあり、恐怖を覚えているのではないかと思うことがあります。また、当時実際に投資活動をして大失敗したという相談者さまもいらっしゃいました。
さまざまな経験や当時の感覚などから、自身の子どもなどに「投資は絶対にするな」ということをおっしゃるケースがあります。
しかし、こういったケースの場合は『投資』ではなく『投機』です。『投機』とは短期で資産を増やそうとすることで、ある意味ギャンブル。まずは、『投資』と『投機』の違いをしっかり知ることが大切だと思います。
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時代が変わったとは何が変わったの?
まず50代の方が生まれた、昭和40年前後の時代背景から考えましょう。昭和39年に東京オリンピックが開催されて経済は『高度成長期』といわれ、右肩上がりに生活水準が改善されました。
それと同時に物価も高騰、賃金も年功序列にエスカレーター式に上昇した時代でした。筆者が10代~20歳前後の頃、JR(当時の国鉄)の初乗り運賃が目まぐるしく変化したのを覚えています。
昭和60年頃から、時代は『高度成長期』より『成熟社会』へ転換していきました。人々の必要なモノやサービスは満たされて成長がピークに達した頃で、モノから質へと求める内容が変わってきたのではないかと推察されます。
さらに価値観の変化として、『論理的思考・科学的思考』つまりエビデンスが重要になってきました。また、育ってきた環境やこれまでの体験によっては、すべてそろってから進み、絶対に間違いを起こさないという『完璧主義』の概念をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
実際にご相談を受けていると、『高度成長期』を生きてきた50代以上の世代のなかには、変化や失敗に弱く、投資への恐怖感が強い方がいらっしゃいます。まずは、投資の正しい知識を身につけることが、投資への恐怖を払拭(ふっしょく)するきっかけになるのではないかと考えます。
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心配であれば、投資の専門家のアドバイスを受けよう
近年、国は「自分自身で資産を増やす」ことを勧めています。例えばNISAやiDeCoなど、税制面での優遇措置が取られているものもあります。しかし、投資に対し恐怖心を抱く人にとっては、「自分自身で資産を増やそう。
ただし、投資は自己責任」と急にいわれても戸惑うでしょう。やはり一般の人が、直接株式・債権・不動産投資を行うのは難しいと思います。
このような場合、投資信託というパック商品(株式・債権・不動産投資などを専門家やITが選択)を選ぶことで投資がしやすくなります。ここでは投資信託の説明は割愛しますが、投資信託を構成している中身も日々値動きしています。
投資を成功させる方法の1つとして『投資の3大原則』(積立・分散・長期)があります。毎月一定金額を積み立てて購入することにより、たとえ値下げしたことでもそれを味方にすることができるかもしれません。
2022年2月後半は、戦争などの影響により株価の変動がありました。しかし、株価が下がることにより、連動して投資信託が値下がりした場合、積立投資では量を多く購入することができるのです。閉店間際のスーパーでコロッケ1個100円が2個で100円になるイメージです。
そうやって値下げ時は購入する数量を増やすことにより、手持ちの資産量を増やそうという仕組みです。
自分1人では株の銘柄1つひとつはわからないけれど、専門家などからのアドバイスを受け、まずは投資信託を選択するのも一案です。迷ってしまう、自信がないという場合は、購入前に納得するまでじっくりと相談するのもよいでしょう。
相談者さまへのアドバイス
冒頭に書いたご相談さまには、無理に投資を行う必要はないと前置きしたうえで、
・自分で実践して体験してみることが、何より安心につながるのではないか
・まずは少額から投資してみてはどうか
・長期間継続することで資産が増える可能性がある
ということをご提案し納得していただき、投資のアドバイスを行いました。
投資に対する考え方は人それぞれであり、決して無理して行うものではありません。「投資に興味はあるが、恐怖心が拭えない」という方は、まずは投資の正しい知識を持つことから始めましょう。そして、投資を行うことになったら、無理をせず少額から投資を始めてみることをお勧めします。
執筆者:寺門美和子
ファイナンシャルプランナー、相続診断士