「一目均衡表」で出てくる「ゴールデンクロス」・「デッドクロス」。どんな意味?

配信日: 2022.06.18

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「一目均衡表」で出てくる「ゴールデンクロス」・「デッドクロス」。どんな意味?
これまで、一目均衡表における「基準線」と「転換線」について見てきました。今回は、日経平均株価指数の日足チャートで、基準線と転換線がどのように関わっているかについてお伝えしていきたいと思います。
重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

相場の動きに対する基準線と転換線の考え方

以下のチャートは、2019年11月から2020年9月における、日経平均株価指数の日足チャートです。タイミング的にはコロナショックが発生し、その後、コロナ相場と呼ばれる上昇局面に移行していった段階です。
 
〇日経平均株価指数(日足)、一目均衡表


出典:TradingView Inc. 「TradingView」
※解説を目的に使用しています。
 
赤茶色が基準線、青色が転換線ですが、日経平均株価指数(ローソク足の部分)に沿うように動いているのが分かります。
 
基準線も転換線も、移動平均線のようなものですので、相場との関連としては移動平均線と同じように考えていきます。例えば「ゴールデンクロス」、「デッドクロス」の考え方です。
 
上のチャートでは、2020年2月ごろから日経平均株価指数は下落し始めました。この時、日経平均株価指数が基準線と転換線を上から下に交差し、抜けているのが分かります。それぞれの交差点がデッドクロスです。
 
逆に、コロナショックが終わり、その後、上昇局面に転換していくタイミングでは、日経平均株価指数が基準線と転換線を下から上へ交差して抜けているのが分かりますが、この交差点がゴールデンクロスです。
 
考え方としては、一定期間の平均価格などを表す移動平均線と同じように考えていくため、投資判断としては、デッドクロスが現れた後は売りシグナル点灯、ゴールデンクロスが現れた後は買いシグナル点灯、となります。
 

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基準線と転換線の関係性

もう一つ、一目均衡表では、基準線と転換線の間にどのような関係があるのかを見ていく方法があります。これについては、移動平均線同士がどのように関わっているかを見るのと同じ方法です。
 
今度は基準線と転換線の2つだけに着目して、先ほどのチャートをもう一度見てみましょう。
 
先ほどと同様にコロナショックが始まった辺りを見ますと、日経平均株価指数が下げ始めたタイミングで、転換線が基準線を上から下に抜けているのが分かります(以下チャートの2020年2月部分の丸囲み)。
 
この時、基準線と転換線においてデッドクロスが発生しました。デッドクロスは、1つの線がもう1つの線を上から下に交差し、抜ける過程で現れますが、基準線と転換線においても適用することができます。
 
一目均衡表には、相場の転換シグナルとして「三役逆転」という考え方がありますが、転換線が基準線を上から下に抜けるデッドクロスが三役逆転完成の条件の1つとなっています。三役逆転については今後、改めて解説していく予定です。
 
〇日経平均株価指数(日足)、一目均衡表


出典:TradingView Inc. 「TradingView」
※解説を目的に使用しています。
 
また、上のチャートではコロナショックが終わり、相場が反転上昇していったタイミングで、転換線が基準線を下から上に抜けている箇所(2020年4月)を丸で囲っています。
 
このタイミングでゴールデンクロスが発生していますが、一目均衡表では、このゴールデンクロスを「三役好転」が完成する条件の1つとしています(三役好転についても今後の記事で解説していきます)。
 
このように一目均衡表では、基準線と転換線との関わりを観察することで、相場の転換を探っていきます。
 

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まとめ

基準線と転換線については、移動平均線の考え方を理解していれば、それほど難しい内容ではありません。
 
また、一目均衡表では他の線として「遅行線」「先行スパン1」「先行スパン2」といった3本の線がありますが、これらについても移動平均線の考え方の応用形として捉えることができます。
 
一目均衡表は、移動平均線の複合分析といっても過言ではなく、移動平均線の組み合わせを応用した考え方といえます。次回は、一目均衡表における「遅行線」についてお伝えしていきたいと思います。
 

出典

TradingView Inc. TradingView
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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