更新日: 2022.07.04 株・株式・FX投資
厚いほど高反発、薄ければ低反発? 一目均衡表の「雲」って、どんな意味?
今回は「雲」について、その意味や使い方をお伝えできればと思います。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
一目均衡表の「雲」の確認
「雲」は、一目均衡表のなかでも非常に重要な考え方で、冒頭で示したように先行スパン1と先行スパン2に挟まれた価格帯をいいます。チャートで見れば一目瞭然なので、まず日経平均株価指数の日足チャートで雲について確認していきましょう。
図表1のチャートには一目均衡表が表示されていますが、基準線が赤茶色、転換線が青色、遅行線が黄緑色、先行スパン1が薄緑色、先行スパン2が薄赤色と、5本の線を色分けしています。
図表1
〇日経平均株価指数(日足)、一目均衡表
出典:TradingView Inc. TradingView
※解説を目的に使用しています
これらの線のうち、先行スパン1と先行スパン2に挟まれた価格帯が雲で、薄緑色の帯とピンク色の帯に色が分かれています。ここではまず、雲がどの部分なのかを確認してみてください。
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「雲」の意味
雲は、先行スパン1と先行スパン2の2本の線でできていますが、ざっくりいうと先行スパン1は、基準線と転換線の平均値を当日から数えて26日分進めた線、先行スパン2は当日を含めた過去52日の移動平均線を、当日から数えて26日分進めた線です。
つまり、相場の短期的な動きと長期的な動きから、将来の相場のトレンドを予測するうえで1つの基準となるのが雲であることが分かります。
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「雲」の使い方
それでは、実際に雲がどのように使われるのか確認していきましょう。
図表2のチャートのローソク足が日経平均株価指数の動きですが、日経平均株価指数が雲の上にあるか、下にあるかで相場の意味合いが異なります。
図表2
〇日経平均株価指数(日足)、一目均衡表
出典:TradingView Inc. TradingView
※解説を目的に使用しています
例えば、雲の上に日経平均株価指数がある場合、日経平均株価指数の勢いは強く、逆に下にある場合は弱いと判断していきます。また、日経平均株価指数が雲の中に入っている場合は、相場としては方向感が乏しく、強弱はまちまちと捉えます。
このように、一目均衡表では雲とよばれる価格帯を基準にして、相場が上にあるか、下にあるかを確認し、相場の勢いや方向感を探る手掛かりとします。
チャートでは、例えばピンクの雲が現れているとき、その下に日経平均株価指数が位置しているような場合では、日経平均株価指数が下降トレンドを描いていると判断します。逆に、薄緑色の雲の上に日経平均株価指数が現れているような場面では、日経平均株価指数の動きは強いと捉えます。
まとめ
一目均衡表における「雲」は、いわば相場の巡航軌道のようなものです。雲を相場の基本的な巡航軌道と捉えることで、相場が巡航軌道から離れたら戻り、戻れば離れるという、以前お伝えした「収束と拡散」と同じような考え方が適用されていると理解できます。
出典
TradingView Inc. TradingView
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)