更新日: 2022.07.14 その他資産運用
インフレとデフレ、資産の運用はどのように変えればいい?
そこで、今回は資産運用における「インフレ」と「デフレ」のときの行動を考えてみたいと思います。
執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)
夢実現プランナー
2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている
「インフレ」と「デフレ」とは
そもそも「インフレ」「デフレ」とは何でしょうか?
インフレとはインフレーションを略している言葉で、経済においては物価上昇によって貨幣価値が下がることを指します。
例えば、今まで1個100円のリンゴが150円になったとします。この場合、物価が上昇してリンゴが高くなったという見方が一般的だと思いますが、今まで100円しか払わなくてよかったのですが、150円になると同じリンゴをさらに50円多く払わないと買えなくなったとも考えられます。
同じリンゴを買うために多くのお金を払わなければならないということは、お金の価値が下がったということになります。これをインフレといいます。
図表1
●インフレのイメージ
一方、デフレとはデフレーションの略で、インフレとは逆に今まで1個100円で買えたリンゴが50円で買えるようになったとき、50円少なくても買えたということになり、お金の価値が上がったという見方にもなるのです。
図表2
●デフレのイメージ
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資産運用で考えておくべきこと
それでは、資産運用に対してインフレとデフレはどうかかわってくるのでしょうか。
インフレは物価が上昇し、お金の価値が下がると前述しました。こういった状態のときは好景気というのが一般的です。好景気なので企業の業績も上がり、株式投資では株価も上昇傾向となっている可能性が高いので、資産運用としては良い環境にあるといえるのかもしれません。
反対に、デフレのときはどうでしょうか。デフレは物価が下落し、お金の価値が上がる状態にあります。物価が下落しているということは、消費者の購買意欲が低下しているともいえます。景気でみると不景気になっている状態で、企業の業績も悪化している状態です。
株式投資を行っていると、デフレのときは株価が下落傾向にあります。投資を行う人の心理としては、下落傾向にある投資先よりも、少しでも利益を出す投資先へ投資を行いたいと思うのではないでしょうか。また、値動きの大きな株よりも値動きが小さなほうが魅力になるとも考えられます。
「デフレ」に強い企業にも注目
デフレのときは、株式投資には向いていないと感じてしまいますが、デフレでもすべての企業の業績が悪くなるというわけではありません。
好景気のときには、例えば外食の回数や使うお金も多くなる傾向にありますが、不景気になると外食の回数を減らすことも考えられます。ただし、不景気でも今までよりリーズナブルな店を選ぶようになるなど、消費行動の変化はあるものの、消費行動がすべて悪くなるわけではないでしょう。
不景気のときに業績が伸びる企業も多くあります。外食が減った代わりに、内食や中食といった自宅で食事をする機会が増え、食料品関連の企業の業績が上がる可能性もあります。また、外食の場合でも安価な店に行く人の数が増えれば、その企業の業績も良くなります。
日用品でも同じようなことがいえます。普段必要な日用品を100円ショップで買う人が増えることで、100円ショップの企業は業績が良くなるでしょう。
インフレ(好景気)のときには、社会全体の消費行動も活発な状態ということも考えられ、幅広い企業の業績が良くなりますが、デフレ(不景気)のときにはリーズナブルな価格で商品やサービスを利用する消費者が増え、提供している企業の業績が上がると考えられます。
投資先の種類の変更
投資の対象となるのは株式だけでなく、債券、不動産など複数の種類があります。インフレでは前述したように、株式投資の運用成果は良くなる傾向にありますが、デフレでは投資の種類を変えることもあります。
デフレになれば、より安全に資産を守りながら少しでも増やしたいと考えます。そのときに投資先として選択肢に挙がるのが、現金や預貯金、債券です。
資産を現金で持っていれば、運用によるリスクは回避され、お金の価値が上がるということで、資産を守ることにもつながります。預貯金で保有していれば元本を減らさず、少しでも利子が付きます。
また、債券は株式投資に魅力がある時期には投資対象としての魅力が少なくなりますが、逆に株式投資の魅力がないときには、満期償還まで保有すれば額面で換金でき、資産を守るという面で債券投資の魅力が上がる傾向もあります。そのため、デフレのときには債券へ資産を移しておくという方法も考えられます。
まとめ
有効な投資先はインフレのときとデフレのときそれぞれにあり、状況をみながら変更することも可能だと思いますが、インフレ、デフレのどちらになってもいいように、初めから分散投資を行うことも大切です。
また、資産運用では価格変動が当たり前にありますので、短期的な価格変動よりも長期的な視点で投資を行いましょう。
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー