不動産投資の選択肢 REITって何?
配信日: 2022.09.21
株式や債券だけでなく不動産に関心があっても、いわゆる不動産の現物に投資することはハードルが高いです。
比較的簡単に始められるREITについて考えます。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
REITはこんな商品
不動産に投資する方法はいくつかあります。一棟アパートや駐車場、トランクルームなどもその一例ですが、ワンルームマンションへの投資は代表的です。
「将来の年金の不足分を補完することができ、部屋数を増やしてFIRE(早期リタイアして経済的に自由な生活を送ること)も目指せる」といった情報により、興味を持つ人や実践する人もいらっしゃるでしょう。とはいえ、不動産の現物に投資する場合は、まとまった資金が必要になりますので、資金調達など簡単に始めることは難しいのが現実です。
REIT(リート)とはReal Estate Investment Trustの略で、不動産投資信託のことです。
不動産投資法人が、投資家や金融機関などから集めた資金で不動産を購入・保有し、テナントに貸し出します。そこから得られる賃貸収入や売却益などから手数料を引いた金額を投資家に分配する、という仕組みになっています。REITは市場に上場していますので、投資家は株式と同じように売買することができます。
保有する不動産は、オフィスビルやマンションだけではありません。図表1のようなカテゴリーに分類することができます。商業施設やホテルなどにも投資することができるという点は魅力的です。
【図表1】
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
メリットとリスク
REITのイメージを分かりやすくするために、メリットとリスクを整理してみます。
(1) 現物不動産と違い、少ない金額から購入できる
(2) 複数の不動産に分散投資することができる
(3) 管理や運用は専門家が行うので手間がかからない
(4) 証券取引所に上場しているので、簡単に売買できる
(5) インフレになると不動産価格や賃貸料も上がることが多く、それに伴いREITの価格や分配金の上昇が期待できる
(1) REIT価格や分配金が変動する(下がる)リスク
・不動産市場や景気によって不動産価格や賃料収入が減る
・金利上昇時に金融機関への借入返済額が増える
(2) 投資対象の不動産が地震や火災などに被災した場合に、収益が下がる
(3) 証券取引所に上場しているので、価格は毎日変動する。そのため、買った時より下がれば損失が生じる
リスク(1)や(2)は不動産投資の特徴です。現物不動産投資と違い、自分の手で物件の資産価値を上げて賃料収入に反映させることはできませんが、管理などを専門家に任せることで手間はかかりません。
どちらを優先するのかは賛否が分かれる点です。不動産投資において空室になるリスクがもっとも気になりますが、大型マンションのようなREITに投資するのなら、1部屋が占める割合が小さいのでREIT全体に与える影響が少ないといえます。
不動産を対象にしていますが、現物の不動産投資とREITには大きな違いがあります。この違いを認識することは大切です。
分散投資の一角にREITを組み入れる
つみたてNISAの商品の中には、バランス型のものがあります。「eMAXIS Slimバランスファンド」のように国内外の株式・債券だけでなく、不動産にも分散する8資産分散型のものもあります。
このように分散投資を考えるなら、ご自身のポートフォリオの中にREITやREITに投資する投資信託を組み入れることは有効だと思います。株式投資における企業研究と同様で、REITの不動産投資法人についても財務状況などの確認は必要です。保有する物件のタイプ(図表1参照)によって、景気の影響なども違ってきます。
不動産投資に興味があり少額から始めたい場合は、REITに投資する投資信託を利用すれば、積立投資による購入時期の分散もできます。すでに株式投資をされている方は、同じ口座で始められます。少し資金を振り分けることも検討されてみてはいかがでしょうか。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士