年金の運用益の推移。2021・22年度と運用開始以降の累計はどれくらい?
配信日: 2022.10.27
本記事では、年金積立金を運用する機関「GPIF」や年金積立金の運用益の推移、基本ポートフォリオについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金積立金を運用するGPIF
GPIF(Government Pension Investment Fund)とは、年金積立金管理運用独立行政法人のことで、厚生労働省から預託された年金積立金を管理・運用をしています。現役世代と年金受給世代が払う年金保険料のうち、年金の支払いなどに充当しなかった分を積立金として預かり、国内外の株式・債券に投資しています。
運用は「長期分散投資」を前提としており、運用資産額が世界最大級の機関投資家であることから、「市場のクジラ」とよばれています。
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年金積立金の運用益の推移
GPIFによる年金積立金の運用益は、自分たちや子どもたちの年金にも関係するため、どれくらいあるのかを知っておくとよいでしょう。本項では、2022年度第1四半期と2021年度、これまでの運用益の推移について、GRIFの公表から見ていきます。
2022年度第1四半期の運用益
2022年度第1四半期の年金積立金の期間収益額は、−3兆7501億円で、そのうち収益率は利子・配当収入は1兆2446億円です。期間収益率は−1.91%でした。運用資産額は193兆126億円となっています。
2021年度の運用益
2021年度の年金積立金の運用実績は、+ 10兆925億円で、そのうち利子・配当収入は3兆1983億円、収益率は+ 5.42%でした。運用資産額は196兆5926億円です。
2021年度末時点の資産構成割合は、以下のとおりです。
●国内株式:49兆5137億円(24.49%)
●外国株式:50兆7700億円(25.11%)
●国内債券:53兆2357億円(26.33%)
●外国債券:48兆6784億円(24.07%)
運用開始2001年度以降の累積収益
GPIFが市場運用を開始して以降(2001〜2022年度第1四半期)の累積収益額は+101兆6787億円で、そのうち利子・配当収入は44兆5969億円、収益年率は+3.56%です。市場運用を開始してから約20年で、収益が100兆円を超えています。
GPIFの基本ポートフォリオ
上記のとおり、運用は「長期分散投資」を前提に行われます。そのため、運用するにあたり目標収益率やリスクなどを考慮したうえで、積立金の基本となる資産構成割合を定めています。この資産構成割合を「基本ポートフォリオ」といいます。
GPIFの2020年4月1日からの5ヶ年(第4期中期目標期間)における基本ポートフォリオは、以下のとおりです。
●国内株式:25%
●外国株式:25%
●国内債券:25%
●外国債券:25%
年金財政上必要な利回りを確保しながら、リスクを最小限に抑えるポートフォリオが選定されています。
運用開始から約20年で収益が100兆円超! 今後の動向に注目しよう
GPIFは、厚生労働省から預託された年金積立金の管理・運用する機関です。その運用資産額が世界最大級の機関投資家とされます。運用は「長期分散投資」を前提としています。年金積立金の運用益は、2001年から市場運用を開始して、約20年で収益が100兆円を超えており、将来世代のために大きな運用益を生み出しています。
年金積立金の運用状況や基本ポートフォリオ、投資銘柄などは、GPIFのWebサイトに掲載されていますので、定期的に確認してみるとよいでしょう。今後もGPIFの動向に注目です。
出典
年金積立金管理運用独立行政法人 GPIF 2022年度の運用状況
年金積立金管理運用独立行政法人 GPIF 2021年度の運用状況
年金積立金管理運用独立行政法人 GPIF 基本ポートフォリオの考え方
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部