更新日: 2022.11.09 その他資産運用

資産運用の際にもご用心。“電卓マジック”が教えてくれる「教訓」とは?

執筆者 : 上野慎一

資産運用の際にもご用心。“電卓マジック”が教えてくれる「教訓」とは?
資産運用の対象はいろいろありますが、短期間に価格が大きく変わる場合も珍しくありません。例えば、株式ではその企業の今の業績や将来性に対する期待度などが株価に反映されて変動します。
 
そこに、自分の持つ現物以上に手を広げる、あるいは外国通貨の価格変動を連動させるといった“応用編”まで絡ませると、資産運用の成績はさらに大きく上下動することだってあります。
 
こうした変動は、それぞれに原因があります。偶然というよりも必然の結果であることが多いのに、そのプロセスが見えなかった。あるいは見ようとしなかった。そんな“ブラックボックス”は、何とかしないといけませんね。

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上野慎一

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

数字を一挙に逆転させる「ゲームチェンジャー」

ある数字が短期間で8倍くらいに上昇する。逆にあっという間に8分の1くらいに下落してしまった。
 
株価ならば、前者は革新的な新技術開発の成功、あるいは経営権をめぐる投機的な動き。後者は企業存亡に関わるほどの業績や財務体質の悪化。例えば、こうしたことが明らかになったときには、株式投資などでもありえる状況です。
 
ここで、「987654321」と数字表示された電卓を手渡されるシーンを思い浮かべてください。渡した人から「=(イコール)のキーを押してみて」といわれるままに操作すると、何と画面の数字は「123456789」に大逆転します。一体どうなっているのか。
 
答えは簡単。「123456789−987654321=−864197532」の計算結果に続けて「+987654321」を入力した状態の電卓を渡されているからです。
 
逆に、「987654321−123456789=864197532」の計算結果に続けて「+123456789」を入力した状態で=(イコール)のキーを押すと「987654321」に大逆転です。数字並びだけではなく、数値自体もおよそ8倍とか8分の1に大変動します。
 
上記の場合、「864197532」をこっそりと入力しておくことがこの大逆転のミソ。いわばゲームチェンジャーであり、ブラックボックスであるともいえます。この“電卓マジック”、ポケット電卓の数字が蛍光管で表示されていた頃(半世紀くらい前)にはすでにあったネタです。
 
電卓マジックのネタは、こっそりと仕込まれます。しかし、株式投資ではどうか。いろいろな調査やチェックを続けることで、そうしなかった場合よりも価格変動に関わるゲームチェンジャーの動きをある程度は把握や予測ができるケースだってあります。
 

もう1つの“電卓マジック”とは

次は、以下の案内に従って自分で電卓を操作するマジックです。よろしければ実際に電卓を手にしてやってみてください。

(1)まず、「12345679」(「8」なし)を入力
(2)次に「×(掛ける)」を押し、1から9のうち好きな数字(仮にAと呼ぶ)を1つ入力
(3)最後に「×(掛ける)」を押して「9」を入力

計算結果は、(2)で選んだAの数字が全部のケタに並んだと思います。例えば「4」を選んでいれば「444444444」の画面になります。こちらは、誰かが(こっそりと)入力していたわけでもないのに不思議ですね。
 
タネ明かしは、掛け算の順番を変えてみること。(1)の次に(3)を計算してみてください。画面は「111111111」となります。何のことはない、Aがどの数字でも次に(2)をすればその数字が全ケタに表示されるのは当たり前なのです。
 
同じ結果でも、手順を変えてチェックしてみると見える景色が一変する。そんなことを思い知らされる気がいたします。
 

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まとめ

自分で全部入力する2つ目の“電卓マジック”。こちらはタネ明かしを聞いてしまうと、「111111111」を例えば4倍すれば「444444444」になる。そんな先入観を人の意識に植え付けてしまいがちです。
 
四半期決算。この制度が日本に根づいてから、かなりの時間が経過しています。第2四半期(2Q)決算が終了した時点で今期業績予想の当期利益額の実に80%が達成された。ある企業の株価上昇への期待度を、例えばこんな基準で論評するような経済記事はよく見かけます。
 
ただし、企業の売上や利益に関わるいろいろな要因は常に変動するものです。2Qまで大好調だったし、3Qや4Qでも平時の勢いは維持されるだろう。こうした“同じペースで掛け算や足し算をする”考え方は、必ずしも万能とは限りません。急激な失速や、逆に急回復だってありえるのです。
 
今回ご紹介したような“電卓マジック”は、それぞれタネ明かしができます。しかし、資産運用の世界では、何ごともセオリーどおりには運ばないことがしばしばです。
 
調査やチェックを続ける。そして着眼点や検証の手順を変えてみる。そうしなかった場合よりも、よい結果をもたらしてくれるかもしれません。
 
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士

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