投資の基本 分散投資とは その1

配信日: 2022.12.26

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投資の基本 分散投資とは その1
資産運用にはさまざまな方法があります。その中でも、投資の基本は「分散投資」といわれています。
 
分散投資は、(1)長い期間にわたって株式やその他の資産に投資をすること、(2)さまざまな種類の企業やできるだけ広い地域の企業などに投資をすること、(3)株式だけではなく、株式とは異なった動きをする債券、金、不動産などにも投資をすることをいいます。
 
分散投資をすることによって、(1)時間のリスク、(2)銘柄・地域のリスク、(3)値動きのリスクが分散され、和らぎ、偏った動きがなくなるため、安定した投資ができることになります。それでは、この分散投資に関して一つ一つ説明していきたいと思います。
浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

分散投資(1)長期投資とは?

長期投資とは、長い期間にわたって株式やその他の資産に投資をすることをいいます。株価は時間によって変動します。例えば、同じ株式を10年間にわたって保有すれば、その間に高くなることも安くなることもあります。時間により株価が高くなったり安くなったりすることを時間のリスクといいます。長期保有をすることにより、時間のリスクを分散し、和らげることができます。
 

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長期保有とそのメリット

下のグラフをご覧ください。アメリカを代表する株価指数S&P500の、リーマンショックを挟んだ10年間のチャートです。株価は時間に沿って上下し、リーマンショックで暴落した後、回復し、さらに上昇しました。
 
リーマンショック前高値である2007年10月8日の1552.6で株を買ったとします。リーマンショックによる暴落で株価は下がりますが、5年半後の2013年4月3日に1553.3を付け、リーマンショック前の高値を回復しています。
 
すなわち、株価は長期間で保有すれば、時間のリスクが分散され、価格が戻ることを期待できるのです。史上最悪といわれた、リーマンショック前の高値で株を買ったことは最悪のケースといえます。それでも、5年半たてば以前の高値にまで戻り、その後はさらに上昇しています。
 
これが、株式を長期保有するメリットです。
 

長期積立とそのメリット

次に長期積立のメリットについて説明したいと思います。長期積立とは、毎月一定額を長期、例えば10年間にわたって買い続けることです。これを図表1のグラフに沿って説明してみましょう。
 
まず、リーマンショック前の高値の日2007年10月8日にS&P500に連動するインデックス投信を1万円購入したとします。その後、毎月1万円ずつ継続して積み立てをしていきます。チャートの曲線を見てお分かりのように、株価は下がっているので、積み立てにより購入単価は徐々に下がっていきます。
 
1年半後の、2009年3月9日には最安値676.53を付けています。実に、リーマンショック後の高値の44%に相当します。積立投資の場合、積み立てとともに購入単価が下がっているので、平均購入単価も徐々に下がっていき、2013年4月13日を待たずして、S&P500の株価は積立投資の平均購入単価を上回ることになります。
 
すなわち、長期積立による投資の方が、長期保有のみの投資より時間的効率がよいということになります。
 
図表1
 

 
筆者作成
 

まとめ

長期投資には、単なる長期保有と毎月一定額を買い続ける長期積立とがあり、今回はそれぞれの特徴を説明しました。その2では、銘柄・地域のリスクを分散させる投資方法について説明したいと思います。
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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