更新日: 2023.01.10 NISA
NISAって何がお得なの? メリットと注意点を解説
NISAを使うと何が違うのか、そのメリットと注意点を探りたいと思います。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
1つ目のキーワード「非課税」でお得に運用
海外に比べて日本人の資産所得が少ないことを受け、政府は「資産所得倍増計画」を打ち出しました。これまでも「貯蓄から投資へ」と政策が進められていましたが、その流れが加速しそうです。注目されるのはNISAの活用です。
2023年度の税制改正大綱では従来のNISAを拡充する方向です。税制改正については後述しますが、まずは現行のNISA制度を復習したいと思います。「NISAはこれから」という方や「NISA口座を持っているけれど実践していない」方もいらっしゃいますが、一般口座と何が違うのか押さえれば、NISAを利用して投資の第一歩が踏み出せるかもしれません。
NISAとは少額投資非課税制度のことです。漢字にすれば理解しやすいですが、キーワードは「少額投資」と「非課税」。現行の制度では、一般NISAは120万円、つみたてNISAは40万円の年間投資額の上限を設け、その範囲であれば税金がかかりません。
【図表1】
非課税で運用できるというのは、投資家にとって大きなメリットです。通常、運用益には税金が掛かります。
今は低金利なので気にならないかもしれませんが、銀行預金であっても利息には税金が掛かっています。購入した株式や投資信託が値上がりした後に売却して得た譲渡益、保有している間に受け取った配当金や分配金などには、通常だと所得税15% 住民税5% 復興特別所得税0.315% 合計20.315%の税金が掛かります。
例えば、10万円もらえると思っていたのに、実際に受け取るのが8万円弱になってしまうのです。その取引をNISA口座で行うと手取りが10万円になるところが、NISAがお得といわれる理由です。
非課税で運用できることは、長期運用において、より効率的に働きます。つみたてNISAは長期積立を目的にした制度です。「時間を味方につけて複利効果で資産を増やしましょう」という話を耳にしたことがあるかもしれません。
例えば、毎月2万円ずつ積立てて3%で運用できた場合、元本が雪だるま式に増えていくため効率が良く、10年後には投資元本240万円で運用収益が39.5万円 最終金額は約279.5万円になります。
ところが、3%の運用に税金が引かれて約2.4%になってしまうと、せっかくの複利効果が効率ダウンしてしまいます。やはり非課税はお得です。金融庁のホームページに積立金額と運用成果が計算できるシミュレーション(※2)がありますので、興味のある方は試算してみてください。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
2つ目のキーワード「少額投資」で大損を回避
友人などから投資で大損したという話を聞き、投資は怖いこと・悪いことという印象を持つ人もいます。確かに投資にはリスクがありますが、本当に危険なら政府が推奨するはずはありません。
NISAには、大損しないための仕組みが組み込まれています。年間の投資枠を設定することで、大金をつぎ込むことを回避しているのです。“退職金や相続で手にした資金で投資して失敗”これはいきなり大きな金額を動かしたことに起因します。
リスクを小さくするには、分散投資が基本です。少額投資には「時間の分散をしながらコツコツ積み上げて大きく増やしましょう」というメッセージが込められているのです。
では、2023年度税制改正大綱についてみてみましょう。税制改正大綱の検討に盛り込まれているNISA関連の事項は次のとおりです。
<制度の恒久化と無期限化>
・現行では制度が使える期間は一般NISAが2023年まで、つみたてNISAが2042年まで
・一般NISAは投資期間が5年間、つみたてNISAは20年間
改正後は、これらの制約がなくなります。
<年間投資枠と生涯投資枠の引き上げ>
現行は一般NISAとつみたてNISAのいずれかの制度の選択制ですが、併用が可能なので合計360万円まで投資できるようになります(現行の一般NISAは成長投資枠と変更されます)。
【図表2】
今後は「一般NISA」と「つみたてNISA」の併用が可能になります。これは個人的にはとても歓迎したい点です。投資初心者が資産形成を始める第一歩としては、つみたてNISAの仕組みが分散投資を実行する点で優れていると考えます。
一方、一般NISAでしか個別株式に投資することはできません。双方に利点がありますので、どのようなスタイルで資産形成するのか、選択肢が広がります。
投資できる金額が増額されることは投資家にとっては大歓迎でしょうが、「年間合計360万円の投資は少額投資ではないのでは?」という懸念があります。金融機関にとっては絶好の商機ですので、営業等の動きが活発化する可能性があります。営業トークや周りの動向に惑わされず、ご自身の計画で投資することが肝要だと思います。
2024年以降の投資について、今から戦略を練ってみてはいかがでしょうか。
出典
(※1)金融庁 NISAとは?
(※2)金融庁 資産運用シミュレーション
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
【PR】SBI証券のNISA(ニーサ)