社会人になったら資産形成を始めるべき理由とは?
配信日: 2023.04.22
親への感謝などはもちろん良いと思いますが、この機会に将来の楽しみのための資産形成を考えてみませんか。資産形成を早く始めることで、資産形成に大切な「時間」を味方にできます。
執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
資産形成とは?
資産形成とは、自分のライフイベントに備えて「貯蓄」と「投資」のバランスを考え、お金の準備をすることです。
人生にはさまざまなライフイベントが存在し、学生生活を終えると、「就職」「結婚」「出産」など、人生の転機が訪れます。人生の転機だけではなく、将来にやりたいこともどんどん増え、「海外旅行に行く」「起業する」など、想像がふくらみます。
ライフイベントややりたいことに備え、お金の準備をすることは、人生設計では避けては通れません。大切なのは「貯蓄」と「投資」のバランスです。
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「貯蓄」と「投資」のバランスとは?
資産形成のために貯蓄と投資のバランスを考えようと言われても、社会人1年生にとっては、アルバイト代ではない社会人としてもらう給料なので、まずは貯めるよりは使いたいという思いの方が強いかもしれません。
しかし、何ごとも最初が肝心です。給料としてもらった金額(給料明細の額面ではなく、いろいろなものが差し引かれた後の自分の銀行等に振り込まれた金額)をベースに、貯蓄と投資のバランスを考えてみましょう。
●貯蓄
貯める金額は、給料としてもらった金額のうち1~3割を目標に、使う前に別口座に移すなどして、使わず貯めるというシステムを作りあげましょう。割合については、生活スタイルの違いにより人それぞれ異なると思うので、まずは1割から始めてみてください。
●投資
投資金額は、できる限り少額から始めることをお勧めします。金融機関により投資ができる最少金額は異なります。まずは貯蓄と同様、システム作りが大切なので、毎月投資をし続けるシステムを作りましょう。
投資システムを確立させ、投資の大原則の1つである「時間」を味方にしよう
投資し続けるシステム作りが大切な理由は、投資の原則にあります。投資の原則は「長期分散投資」です。どういうことなのか、くわしく見ていきましょう。
●長期
文字通り、「投資をしている期間を長くしましょう」という意味です。経済は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、成長していきます。
そのため、たまたま景気が悪いときに投資を始め、景気が良いときに投資をやめると資産残高がプラスになります。反対に景気の良いときに投資を始め、景気が悪いときに投資をやめると資産残高がマイナスになることもあります。
景気のタイミングを計ることはプロの投資家でも難しいとされています。そのため、できる限り少額でも良いので、投資をしている時間を長くすることが投資の原則なのです。
●分散
分散は、「時間」と「地域(国)」と「資産種類(株式・債券など)」を分けて購入するという意味です。
■時間
「長期」でも書いた通りです。
■地域(国)
日本だけでなく海外のものを購入し、日本の景気の良しあしだけではなく諸外国の景気とのバランスを図りつつ、分けて購入しましょう。
■資産種類(株式・債券など)
1つの資産だけを購入すると、景気の影響をダイレクトに受けることになります。一般的に株価と債券価額は景気の良しあしで反対の動き(株価が上がれば債券価額が下がり、株価が下がれば債券価額が上がる)をすると言われるので、これらをバランスよく購入しましょう。
資産形成を始める好機を逃さない
社会人になってすぐに将来のための資産形成を考えるなんて、早すぎると考える人もいるでしょう。しかし、今から始めるのと5年後に始めるのとでは大きな違いが生まれます。早めに取り組むことで将来へのお金の不安が減ることにつながり、楽しく過ごすことができます。
今すぐ始められなくても、新生活をきっかけとして、まずは資産形成について考えてみてください。
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士