更新日: 2023.05.11 NISA
2024年のNISA改正を前に、今からしておくこと <前編>
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
NISA制度はこう変わる
貯蓄から投資への流れを加速させようと、2024年からNISA制度が改正されます。どこが改良されたのか、まずは来年から始まるNISA制度と現在のNISA制度の違いを確認しましょう。
図表1
新旧のNISA制度には、大きく3つの改正点があります。
(1) つみたてNISAと一般NISAの併用が可能
現行の制度では、つみたてNISAと一般NISAの併用はできませんので、どちらかを選択しなければなりません。投資の初心者にとって“つみたてNISA”は、長期・積立・分散投資が簡単にできる仕組みなので、入門にうってつけのツールです。毎年40万円の投資額も、捻出するのに無理な金額ではありません。
しかし、慣れてきて個別株式にもチャレンジしたくなったときは、課税口座で取引をするか、一般NISAに変更手続きをする必要があります。面倒なので、一歩を踏み出せないこともあると思います。改正後は併用が可能なので、投資のバリエーションが増えます。場面場面で投資スタイルを変更することも容易になります。
(2) 非課税期間が無期限
現行では、つみたてNISAは20年間、一般NISAは5年間の期間が決められていました。例えば一般NISAで投資をして5年たつと、「その商品を課税口座に移す」「NISA口座の翌年度枠に移す」「売却する」、この3択を迫られることになります。
長期間の保有が前提で、高い配当や分配金を目的に投資をしている人にとっては、5年ごとに入れ替えをすることになり不便です。5年後に値下がりしているときはどうなるのでしょう。せっかくの非課税制度の恩恵を受けられないまま、値上がりを待つこともできない場合も想定されます。
(3) 年間投資枠・生涯非課税投資枠の増枠
現行の年間投資枠はつみたてNISAは40万円、一般NISAは120万円ですが、それぞれ120万円と240万円に増枠されます。また非課税となる生涯投資枠が、現行はつみたてNISAは最大800万円、一般NISAは最大600万円から、買付残高1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)に増枠されます。
「増枠されても、そんなに投資にまわせない」という考えもあるかもしれません。しかし、寿命が延びて人生100年時代ともいわれており、この増枠の意図には「公的年金だけでは老後資金が不足です。足りない部分は自助努力で備えてください」というメッセージがあるように筆者は思えます。
もちろん、長く働くことで老後資金の取り崩し額を緩やかにできますし、受給できる厚生年金の年金額を増やすこともできます。また生活スタイルによっては、年金だけで十分暮らせる人もいます。状況に合わせた判断も必要になるでしょう。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
新NISAの投資対象商品には注意が必要
金融庁のホームページには「新しいNISAのポイント」が記載されています。そのなかに新しいNISAをまとめた図表があり、投資対象商品に言及しています。
つみたてNISAは、現行でも金融庁が選んだ商品を対象商品としていますので変更はありません。注目すべきは、現行の一般NISAにあたる成長投資枠の対象商品です。(1) 整理・監理銘柄、(2) 信託期間20年未満、高レバレッジ型および毎月分配型の投資信託等を除外とあります。
また脚注には、“金融機関による「成長投資枠」を使った回転売買への勧誘行為に対し、金融庁が監督指針を改正し、法令に基づき監督およびモニタリングを実施”とあります。デイトレのような短期売買ではなく、あくまでも「長期的な視野に基づいた資産形成のためのツール」を前面に押し出していることが分かります。
以上のように、2024年からNISAが変わります。自分の現在の状況などを踏まえ、NISAとどのように付き合っていくかを考える必要があるといえるでしょう。
出典
金融庁 新しいNISA 新しいNISAのポイント
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
【PR】SBI証券のNISA(ニーサ)