更新日: 2023.06.12 その他資産運用
50代から始める失敗しない資産運用の考え方【4つのリスクに備える】
実は、「資産運用をしないこと」でも、高まるリスクがあることをご存じでしょうか。今回は、その4つのリスクを踏まえ、50代からでも資産運用を始めたほうがいい理由と、失敗しない資産運用について解説します。
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー
立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。
現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。
4つのリスクとは?
(1)長生きリスク(資産枯渇リスク)
長生きリスクとは、長生きすることで生活費がかさみ、資産が枯渇することを指します。100歳まで生きることを見越し、途中で資産が枯渇しないように、今から50年先まで見据えたライフプランが必要になります。
(2)インフレリスク
インフレリスクとは、物価が上昇し、資産の価値が減少するリスクです。インフレリスクに備え、物価上昇に対応できる商品に投資することも検討する必要があります。ただし、50代からは、リスクを抑えつつ安定的な収益を得ることが求められます。
(3)認知能力低下リスク
加齢などにより認知能力が低下していくリスクです。金融商品の選択や判断の際に影響が出ることもあるため、投資家自身が能力の低下を認識することが重要です。
認知能力が低下する前に、「家族信託」を利用することも検討に値するでしょう。家族信託とは、財産の全部、または一部を信託財産として家族に託し、管理を任せる方法です。
一般的には、子どもが受託者となって親の財産を管理することが多いかと思われます。金融商品の運用方針などは、親の認知能力低下の前に、家族間で話し合っておく必要があります。
(4)国の財政リスク
今後、国の財政がさらに悪化することで、国民に対するサービスが削減され、国民の負担が増していく可能性があります。老後を年金だけに頼ろうとするのは危険です。年金は、破綻することはなくても、削減される可能性はあることを視野に入れておく必要があります。
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50代からの資産運用の考え方とは?
上記4つのリスクを踏まえて、50代からでも資産運用を取り入れ、資産寿命を延ばす方法を、以下の手順で考えます。
(1)現状を把握する。
自分の資産状況や収支状況を把握するために、「バランスシート」と「キャッシュフロー」を作成します。
バランスシートでは、資産と負債を全て書き出し、自分の資産状況を把握します。資産は預貯金や株式、投資信託、保険、不動産など、負債は住宅ローンや車のローンなどです。キャッシュフローでは、1年間の収入と支出を書き出します。
(2)自分の金融資産を3つに分けて考える。
作成したバランスシートとキャッシュフローを参考に、今後の資産運用に備え、自分の金融資産を以下の3つに分けて考えます。
1つ目は緊急資金です。1年間の生活にかかるお金が該当します。
2つ目は使用予定資金です。車を購入するなど、10年以内に使う予定のあるお金が該当します。
3つ目は余裕資金です。10年以内に使う予定のないお金が該当します。
(3)収支改善できないか考える
キャッシュフローより、年間収支で改善できるところがないか確認します。収支改善することで、毎月(毎年)の積立額を増やせる可能性があります。
(4)余裕資金や積み立て分を資産運用に回せないか考える
住宅ローンなどの返済がある場合は、余裕資金をローンの返済と資産運用のどちらに回すか考えます。どちらを選択するかは、ローンの残債や返済期間、金利、毎月の返済額の負担などと、余裕資金を資産運用した場合の収益とを比較して判断します。
まとめ
50代からの資産運用が自分にとって必要かどうかは、「長生きリスク」「インフレリスク」「認知能力低下リスク」「国の財政リスク」の4つのリスクを踏まえて判断しましょう。
実際に資産運用を始めるときは、まず資産状況や収支状況などの現状を把握し、金融資産を「緊急資金」「使用予定資金」「余裕資金」の3つに分け、余裕資金を資産運用に回せないか確認してください。
50代からでも遅くはありません。今後100歳まで資産が枯渇しないように、資産運用を取り入れることを検討してみてください。
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー