更新日: 2023.06.13 NISA

児童手当の全額貯金 vs NISA vs 学資保険 あなたに合う教育資金準備方法とは?

執筆者 : 佐々木達憲

児童手当の全額貯金 vs NISA vs 学資保険 あなたに合う教育資金準備方法とは?
教育資金を準備するにあたり、その方法にはいくつかの選択肢があり「迷ってしまう」という方もいらっしゃるでしょう。具体的には、児童手当を全額貯金するなどの現金貯金、つみたてNISAなどの資産運用、学資保険が挙げられます。それぞれの特徴を見て、自分にあった準備方法を考えてみましょう。

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佐々木達憲

執筆者:佐々木達憲(ささき たつのり)

京都市役所前法律事務所弁護士

相続・事業承継を中心とした企業支援と交通事故が主要対応領域。弁護士としての法律相談への対応だけでなく、個人投資家兼FPとして、特に米国株投資を中心とした資産運用に関するアドバイスもご提供。京都を中心する関西圏に加え、毎月沖縄へも通っており、沖縄特有の案件も数多く手掛けている。

現金貯金という手法

まずは、現金貯金についてです。
 
児童手当等を基に、現金を金融機関に預けて預貯金として積み立てていくことの特徴としては、積み立てた元本金額の変動がほとんどないことです。これは、株式等の資産運用とは異なり、暴落による資産の減少が生じることがないという意味では、安定した手法といえます。
 
反対に、現代では預貯金の利息はすずめの涙しか見込めませんから、元本以上に金額が増える余地がほとんどなく、資産を増やすという選択肢とはなり得ません。それどころか、物の値段が上がるインフレ下においては、相対的に資産の価値が下がり、目減りしてしまうことになります。
 
また、預貯金については流動性の高さも特徴といえます。つまり、引き出せばすぐにお金として使えるということです。明日までに急いで学費を納めなければならない、といったケースでも、預貯金であれば支払いを間に合わせることができます。
 
裏を返せば、引き出そうと思えばすぐに引き出し使うこともできてしまうので、教育資金以外に使ってしまわないよう、計画性と意思の強さが不可欠となります。
 
以上のことから、現金貯金については、いつまでにいくら貯めるという計画をあらかじめしっかりとたて、目的に向かって計画通りに淡々と積み立てができる方に向いている選択肢、といえるでしょう。
 

資産運用という手法

資産運用については、やり方であったり対象商品の性質だったりも千差万別ですが、ここでは代表的な手法として、つみたてNISAについて取り上げてみます。
 
つみたてNISAは、国が国民の投資を普及促進させようとして始めた肝いりの制度であり、対象とされている商品も金融庁が安全性等の観点から長期資産運用に向いているとして厳選している、お墨付きのものばかりです(なお、2024年からは「新NISA」という制度が始まり、同年以降つみたてNISAは新NISAのつみたて投資枠に置き換えられることになります)。
 
「つみたて」と名がついているとおり、つみたてNISAはタイミングによる売買で利益を得る投資手法ではなく、毎月コツコツとお金を入金し、それを長期的に運用していくための制度となっています。
 
たとえば、お子さんが誕生してから毎月1万円ずつを教育資金として貯めていく場合、現金貯金であれば20年間で240万円となるのに対して、つみたてNISAを使って年利3%の運用をすれば、20年後には328万3020円です(金融庁「資産運用シミュレーション」より)。当然、毎月の積立金額が増えればさらにお金が増えることになります。
 
つみたてNISAは前述のとおり、金融庁が長期資産運用に向いているものとして厳選した商品ばかりです。もちろん、暴落等で資産が減少する可能性はゼロではありませんが、運用期間が長期間になればなるほど、そのリスクはとても低減されると予測されます。
 
そうした意味で、つみたてNISAはそれまで株式投資等の経験がない方でも始めやすい一方で、まったく経験がない方は証券口座の開設から始めなければなりませんから、慣れていない方にとって最初は難しく感じるかもしれません。また、一度設定すれば毎月決まった金額で積立投資ができますが、その手間暇を負担に感じることはあるかと思われます。
 
また、現金貯金の項目で述べた流動性の観点でいえば、つみたてNISAは投資信託を購入し運用をしていく制度ですので、お金が必要となった際に解約して換金するには日数がかかります。明日までに授業料を支払わなければならない、といった場合には間に合いませんので注意が必要です。
 

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学資保険という手法

学資保険については、各社がさまざまな商品を販売しており、ひとくちにまとめることが難しいですが、一般的には満期を設定し、それに向けて保険料の支払いをしていく設計のものが多いと思います。
 
現在では利率が高くないことが一般的ですし、途中で解約してしまったら、支払った保険料よりも戻ってくるお金のほうが低額になるという、元本割れを起こすリスクが高いでしょう。
 
そうした意味で、満期になるまでの途中、手をつけずに強制的に貯めていく契機となりやすい特徴があるといえるかもしれません。預貯金だとついつい途中で引き出してしまいそう、という方にとっては、それを防ぐ効果がありそうです。
 
また、保険としての機能があることも特徴です。契約をしている親に万が一のことがあった時、以降の保険料の払い込みが免除されて、満期になったら保険金が全額支払われることが保障されるのが一般的であるというのは、学資保険ならではといえます。
 

それぞれの特徴を生かした、ハイブリッドな選択も

以上のとおり、教育資金を準備していくための各手法には、それぞれ特徴があり、メリット・デメリットもあります。
 
ご自身にあった手法、あるいはしっくりくるものをそれらの中から選ぶ、というのも当然考えられますが、筆者としては必ずしも1つの手法に限定することなく、それぞれの手法を組み合わせた、ハイブリッドな戦略というやり方も考えられると思っています。
 
預貯金だけ、つみたてNISAだけ、学資保険だけ、ではなく、それぞれの手法を組み合わせて、資産を分散させていくこともよいでしょう。資産を分散させることは、さまざまな事態への対応がしやすくなるという意味でも、考えていただきたいものです。
 
分散をする中で、どういった配分をしていくかは各家庭のご事情により異なるとは思われますが、完璧な選択肢というのはなかなか見つけることができないでしょうから、まずは少しずつでも、それぞれの手法に資産を振り分けて対策をしてみることから始めるとよいのではないでしょうか。
 

出典

金融庁 資産運用シミュレーション

 
執筆者:佐々木達憲
京都市役所前法律事務所弁護士

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