更新日: 2023.06.24 不動産投資
「地方都市で不動産投資」の魅力と注意点とは?
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
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都心から地方へ波及するマンション投資
「都心で駅近の中古ワンルームマンションに投資をする」この手法で資産運用しようと考えている人もいらっしゃるでしょう。毎月の家賃収入が得られますので、老後の収入源にできるかもしれません。
将来の公的年金の受給額を心配する若年層は、働き盛りのうちにローンを組んでマンションを購入し、老後に備えることに余念がありません。また、シニア層も退職金などでマンションを購入し、家賃収入を公的年金の補完とする方もいらっしゃいます。ワンルームマンション投資というカテゴリーができて、大家さんになることが特別なことではなくなったと感じます。
投資の手法として以前より身近になった不動産投資ですが、マンション価格の高騰を考えると実際に投資できる人は限られています。高額なローンの返済、老後資金の多くを注ぎ込むこと、いずれにしてもリスクは大きいです。そこでマンション価格の安い、地方の物件に投資することが選択肢として浮上しています。
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投資したい地域を知る
2023年5月、筆者は京都を中心に投資用ワンルームマンションを扱っている事業社に取材をしました。
京都は観光地として高い知名度がありますが、ワンルームマンションの投資先としての適性はどうなのか気になります。京都ならではの3つの特徴は以下のとおりです。
(1) 景観重視の規制があるために、高層化することだけでなく新築物件の建築も簡単ではないとのこと。また、山を削って造成することなども難しいそうです。
(2) 京都は学生の多い街です。一方で、任天堂や堀場製作所など老舗の優良企業も多く、単身の勤労者も多いです。京都の町は碁盤目状に整備され、上半分(北側)は学生が多く住む地域で下半分(南側)は勤労者向けと大まかに区分けされるそうです。ワンルームマンションの需要は多いとのことですが、学生はおおむね4年間がサイクルになりますので、ターゲットによって居住期間に対する配慮が必要になります。
(3) 京都は東京や大阪にように、地下鉄の路線が意外と多くありません。市民はバス、学生は自転車やバイクが主な移動手段となっています。一般的には駅からの距離が不動産の価値を決めるひとつのバロメーターとなっていますが、京都ではあまり重要視されていないそうです。
また地方都市に共通の点として、「東京のように人口増加していないので、物件の値上がり益を期待することはできないことには注意してほしい」と助言をいただきました。
実際の物件購入者(投資家)は、60~70歳代で現金一括購入しているケースが多いそうです。物件の値上がり益は期待できないものの、(1)(2)の特徴が表すように需給のバランスが安定しているので大きく値下がりするリスクも少ないです。老後資金を預金していても増えないので、安定収入を得られる不動産に投資されるようです。
例えば、当該事業社が現在売り出し中の新築投資物件を2000万円で購入した場合、イメージは次のようになるといいます。
毎年70万円の家賃収入を得て、これを私的年金(老後の資金)に充てます。10年後に1300万円で売却、あるいは20年後に600万円で売却すれば、収支はイコールと考えられます。平米数などの条件が似た築年数20年の中古物件が、1600~1700万円で売りに出されていることを考えれば、当該物件がそれほど値下がりすることはないと考えられるので、収支がマイナスになるリスクは相当に少ないという説明です。
地域によっても差はありますし、あくまでザックリしたイメージですが、たたき台として考える材料になると思います。
地域の特殊性にも注意が必要
「都心に比べて物件価格が安いので投資しやすい」「都心でマンション投資をすでに行っているので地域分散のために地方で投資したい」など、さまざまな理由で地方の物件に興味を持つ人が今後は増えると推察されます。
今回は、京都の地域性について取材する機会があり、都心とは違う視点を実感しました。投資するにあたり現物を見ることは必須ですが、それ以外に地域独特の不動産に対する価値観などの情報収集も欠かせないと思いました。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士